画質・実写場面:7 特撮:10☆ 音質:10


映像はVC-1でビットレートは10台後半が中心。ワーナー仕様。
音声はドルビーTRUEHDの24bit。ワーナーで24bitですって!?

画質について。
『ほんとに82年の映画かよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』
冒頭。彼方まで広がる近未来の混沌とした都市の様には度肝を抜かれました。
これはすごい。
本当にすごい。
映像の色彩とか、デザインとか、そういうのはまさに80年代なんですけど、現代のVFXに勝るとも劣らない驚くべき精彩感に満ちています。
ちょいとwikiで調べてみましたが、ブレードランナーの特撮部分は特に画質にこだわった映像制作がされていたようで、今回のハイビジョンでのファイナルカット版ではじめて本来の画を実現できたとのこと。
どうにもうまい言葉が見つかりませんが、80年代の映像が、80年代の映像としてのアイデンティティを持ったままで、現代的な高画質を実現しているわけです。夢のような話じゃないですか。
一方の実写場面ですが、こちらも82年という年代を考えれば驚くべき画質といえます。プレデターにロボコップって何だったんですかね。マスターの問題なのかエンコードの問題なのか……
なんにせよ、場面ごとの激しい画質差、古い作品にありがちな落ちない黒など色々ありますが、現代の眼をもってしても十分に唸ることができる場面が数多くあるのは驚異的。
エンコードにとってはきっと地獄であろう、作品の大半を覆うスモークもきちんとスモークとして成立しており、不要なノイズや色かぶれを生じません。
「あの往年の名作がBD化により現代映画のような清廉さで蘇る!」そんなのは嘘。あくまで見てきたソフトからこう考えてましたが、ひょっとしたら今後この認識が根本から崩れ去ることになるかもしれません。
是非崩してくれ!!

音質について。
ワーナーで24bitだと!? 許せる!!
とりあえず音質は画質と異なり製作年代におけるハンデはありません。純粋に素晴らしい音質と言えます。
シンセサイザーのミュオオオオオオオオーンなBGMが心地よいです。
昔の映画にしては音数も圧倒的に多く、効果音のひとつひとつにも鋭さがあります。
あと、とある場面でとある日本語のセリフが環境音として用いられているのですが、かつては音に埋もれて喧噪の一部になっていたであろうその声が、BDでははっきりと聞こえてしまいます。
まったく同じセリフが十回以上も延々と繰り返されているのには笑いました。
次世代音声恐るべし!

買って損無し!
監督のリドリー・スコット含め、スタッフもこの出来に喜んでいることでしょう。



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