画質:9 音質:9


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit。この仕様は今回のBOXの三作共通である。

画質について。
フィルム円熟期の、ほぼ完成された清廉さと空気感と、いよいよもって本格的な胎動を迎えたVFXの煌びやかさがひとつところに同居する、なかなか見られない画質である。
気になるノイズの類は皆無であり、情報量、解像感も十分。コミック原作の映画にしては少々色乗りが薄いのが気になるといえば気になるが、大した問題ではない。
フィルム画質のひとつの完成形であり、VFXとの絡みは未来へと繋がっている。

音質について。
これぞ「サウンド・エフェクト」と言わんばかりの、縦横無尽に空間を駆け巡り埋め尽くす音を味わえる。初っ端のイメージ映像からしてマルチチャンネル・サラウンドの楽しさに溢れており、ミュータントそれぞれの特殊能力にも、確固たる意味と個性のある音が割りふられている。
直前にガメラを見た、というのもあるかもしれないが――現実には目からビームを発射するヒーローもいなければ、火を吹く巨大亀も存在しない。映画に登場する、その手の連中にリアリティを付与できるのは音なのである。その点、X-MENは成功し、ガメラは失敗したのだ。



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