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 しかし、こんな企画がきちんと通るようになったとはたまげたなぁ……
 まぁ、ハイレゾ音源のランキングでさえこんな有様だから、なるべくしてなったという感じだろうか。色んな意味で地盤沈下の激しい業界だなホント。

 この雑誌では、

「アニソンは一般的にアニメ作品に用いられた楽曲という定義であるが、本誌ではアニメタイアップ、サウンドトラックであることはもちろん、アニメに関わる声優諸氏の単独名義作品、さらにアニメの世界と密接に結びついているゲーム音楽においても広義にアニソンと捉えることにする」

 とある。
 個人的には特撮ソングも入れてもらいたいところが、こんなもんだろう。

 内容は申し訳程度のオーディオ講座を所々に挟みつつ、基本的にはインタビューと音源紹介に終始している。

「アニソンって実はすごいこだわりを持って作られていて、それを聴くためのオーディオ機材にこだわればもっともっと楽しいぞ!」

 ということを伝えるのが本誌の本懐だろうし、その姿勢はオーディオ業界の裾野を広げるうえで必要不可欠なことだ。
 その一方で、個人的に以下の点が気になった。


・紙面にほとんどスピーカーが登場しない
・「アニソン」だけで、「アニメを見る際の音」はまったく問題にされない
とりあえず挿せば鳴るイヤホンやヘッドホンとは違って、アンプだのケーブルだのが別途必要なスピーカーは確かにハードルが高い。それは確かだが、紙面におけるスピーカーの存在は完全にオマケ状態。インタビューでも「スピーカーでも聴いてほしい」と言っているんだし、高品位なヘッドホンを紹介するのも結構だけど、後々スピーカーへ興味を持ってもらうような導線ももっとしっかり作るべきではなかったか。アニソンの前にアニメそのものを「見る」という行為がある以上、ホームシアターへの展開も含めて、ものすごく可能性のある市場が広がっていると思うんだが。もったいない。

・「萌え」に偏りすぎ
わざわざアニソンの定義にゲームを含めたのは、要はエロゲギャルゲの音源も扱いたかったから、とでも言わんばかりの選曲。
もう「アニソンオーディオ」じゃなくて「萌えオタオーディオ」にタイトルを替えたほうがいいんじゃないのか。
ある意味潔いと言えば潔いが……



 なんだかんだ言って、ここ最近買ったオーディオ雑誌(というくくりでいいのか)の中では一番楽しめたのも確か。
 ということで「アニソンオーディオ」の次は「アニメシアター」だな。
 誰か企画しないかな。



 ちなみに付属の音源はこんな感じ。

 まずWAV。
WS000210
WS000211

 ……

 次にDSD。
WS000212
WS000213

 あのさぁ……



 そして本誌の「リファレンス・アニソン10選」という記事に便乗してみた。