画質:9 音質:12
映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit。
画質について。
今作から撮影がデジタルに変わり(恐らく)、全体的に情報量が格段に増えている。人物の表情のアップ、特にナイトクロウラーのツラの紋様などは繊細なグラデーションもあいまって実に生々しく、地味ながら実は今作の画質におけるハイライトである。
問題もある。
情報量が格段に増した分、よい場面とよくない場面の差が大きくなり、前編通しての画作りの完成度という点では前作に及ばない。
完璧というほどではないが、近年の映画の画質として求められる要素をハイレベルで満たしており、非常に良好な画質である。ノイズも無く、しっかりと沈み込んだ闇の中で煌く光の力強さは見物。
音質について。
前作同様、視聴者を楽しませることに徹した面白おかしい音響に、今作では意欲的なアイデアが盛り込まれ、さらに重厚かつ楽しいものとなっている。
まずはマグニートーによるカリスマ溢れる能力の操演。血中の鉄分を抜き出して鉄球を作り、それを用いて脱獄を行う一連のシークエンスでは、“銃弾より遅いが銃弾より重い”という鉄球の絶妙な機動を迫真の音で聴かせるし、それ以外でも溢れ出す能力とカリスマが音でもって十全に表現されている。
クライマックスにはマス・ディストラクションも用意され、音響も映像のカタストロフに負けじと轟と吼え猛る。細やかさと迫力の二つの点において、前作を大いに上回る。
音として面白い場面は色々あるが、やっぱり一番は冒頭、ナイトクロウラーの突撃である。映像、効果音、BGM、音響デザイン、全てにおいて神がかっている。必見!
BDレビュー総まとめ
【BDレビュー】 第135回『X-MEN 2』
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