*

【ネットワークオーディオTips】続・理想のサーバーを考える

公開日: : 最終更新日:2015/09/12 PC・ネットワークオーディオ関連, オーディオ・ビジュアル全般

理想のサーバーとは?


 前回の記事から約1年半が経ち、いわゆる「オーディオ用サーバー」が本格的に市場投入されるなど、ユーザーを取り巻く状況は変わった。
 DELA N1ZLUMIN L1が登場し、アイ・オー・データからこんなのまで出てきている。
 ネットワークオーディオにおいて「音源の保存と配信」という重大な役割を担いながら、サーバーという存在はイマイチ重要視されてこなかった感がある。それも徐々に改善されつつあるということだろう。
 重複する部分も多かろうが、あらためて考えてみたい。

 理想のサーバーとはどのようなものか。



○ハードウェア全般

・オーディオ機器としての作り込み
 あえて「音質」とは言わない。
 前回の記事では「オーディオ機器の隣に置いても映える立派かつ堅固な筐体」を「ついで」扱いにしていたが、もはやそうもいくまい。
 筐体のクオリティという意味ではDELA N1Zが最初から究極を目指し、そしてほとんど実現してしまっている。あれ以上何かしようと思えば、もうアルミ削り出しのモノコックボディーでも作るしかあるまい。
 内部の設計についてはそれこそ各メーカーの腕の見せ所。「所詮機能を絞ったPCだ」なんて思わず、可能な限りのノウハウを注ぎ込むこと、それ自体が「理想」である。

・デザイン
 DELAのように「オーディオラックに置いても違和感を覚えない」レベルの存在感を出しつつ過剰な主張をしない、というのも一つの解。アイ・オーの製品も同じ方向性のようだ。
 LUMIN L1のように、自社製品との組み合わせを前提にしたデザイン、というのも一つの解。それが優れたサーバーならば、ブランド全体の価値を高めることにもなる。
 一目見ただけで「ただものではない!」と思わせる偉容、というのも一つの解。なにせサーバーも立派なオーディオ機器だからね。

・マシンスペック
 CPUにせよメモリにせよ、過剰にならない範囲で高性能ならそれに越したことはない。
 サーバーソフトによっては使っているCPUの種類によってインストールの可不可が変わる場合もあるので。

・ストレージ
 SSD一択。価格と容量は時間が解決するだろう。
 あるいは、動作音と振動を完全に筐体内に封じ込められるならHDDでも可。
 そして容量は多ければ多いほどいいが、一般に1TBもあれば十分なはず。

・耐久性と安定性
 24時間365日ぶっ続けで稼働しようとびくともしないレベルを望む。

・NASか、PCか
 NASも機能絞ったPCじゃんというツッコミはさておき、要は汎用機をサーバーとして使うか、それとも専用機を導入するかということ。
 前回の記事ではサーバーソフトを複数走らせられる余地からPCを選んだ。
 しかし、後述する理想のサーバーソフトとの組み合わせを考えれば、専用機として作り込んだほうがオーディオ機器としての完成度は高くなるはず。
 結局「オーディオPC」も「オーディオNAS」も行き着くところは同じ。

・ディスプレイ
 要らない。
 あれば親切なのは確かだが。

・ディスクドライブ
 要らない。
 リッピングは別のPCでしたほうがずっとはかどる。
 適材適所。



○サーバーソフト全般

・対応フォーマット
 馬鹿馬鹿しいハイスペック論争に涼しい顔で付いていけるだけの対応フォーマットの広さ、あるいはアップデートで対応幅を広げられる余地が必要。
 プレーヤー側が無駄なハイスペックの音源に対応しているとも限らないため、トランスコードの選択肢が充実していればなおよい。

・画像配信能力
 この記事参照。
 コントロールアプリ側で表示に対応する必要があるが、JPEGなりPDFなりで保存した画像をブックレットとして配信できればなおよい。

・ナビゲーションツリー
 Asset UPnPレベルで項目が充実し、なおかつ完全なカスタマイズ性が提供されること。
 Twonky Serverのようにアルバム/各曲一直線の構造と、MinimServerのように多段的に絞り込める構造のどちらが使いやすいかは難しいところ。つまりユーザーの好みに応じてカスタマイズできればいいのである。

UPnP/DLNAohMedia、他
 大多数の機器との互換性を考えればUPnP/DLNA対応は必須。
 OpenHomeをサーバーにまで適用する必要があるかは謎だが、一応。
 あとは、MPD系のプレーヤーでも使えるように、NFSやらCIFSやらFTPSやら、その手のプロトコルにも対応すればいい。



○運用面

 ネットワーク経由でデータを保存できれば、それ以外に求めるものは特にない。



 現時点で考えられるのはこんなところか。

 なお、今回考えた「理想のサーバー」の条件は、単体サーバーと「ストレージ内蔵プレーヤー」のサーバー機能の両方に共通する。後者のサーバーソフトは基本的にメーカー独自のものとして実装されているだろうが(DELAのような例は除く)、ユーザーからすれば果たす役割は同じ。

 今後はどんなサーバーが出てくるのだろう。
 楽しみだ。



【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】


スポンサーリンク


関連記事

【RoonReady】IQaudIO Pi-DAC+ / Pi-DigiAMP+

 UPnP/DLNAにあって、OpenHomeやRoonReadyのプラットフォームにないもの。

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】BubbleUPnP Serverとfoobar2000を組み合わせる、ついでにTIDALも使う

 そもそもBubbleUPnP Serverって何だ、使うにはどうすりゃいいんだ、使うと何がどうなる

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】コントロールアプリの検証 2014 『ChorusDS HD』

 ChorusDS HDを抜きにしてコントロールアプリを語ることはできない。それどころか、このアプリ

記事を読む

SFORZATO DSP-01への並々ならぬ期待

【ヘッドホン祭】スフォルツァート、11.2MHz DSD対応ネットワークプレーヤー「DSP-01」/

記事を読む

【音源管理の精髄】 『自分ルール』の重要性――ジャンル/アーティスト/アルバム 【ネットワークオーディオTisp】

 『自分にとって良いライブラリとはどのようなものか』  『どのようなライブラリを作りたいのか』

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第87回『ゴッドファーザー PART2』

画質:4、条件付7 音質:7 映像はAVC、クソ長いためビットレートは25Mbps付近で頭

記事を読む

激突!OpenHome/UPnP vs Roon Ready/RAAT

 今回は音質面の話。  「Roon ReadyはUPnPベースのシステムに比べて音質的にどうなんだ

記事を読む

【BDレビュー】第303回『インターステラー』

画質:9 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参照) 映像:AVC 音声:DTS-

記事を読む

DENON DNP-2500NE

デノン、“革新的”フルデジタルヘッドホンアンプ搭載のネットワークプレーヤー「DNP-2500NE」

記事を読む

【ハイレゾ音源備忘録】上原ひろみ / Move

・アーティスト / アルバムタイトル Hiromi / Move ・購入元 HDtrack

記事を読む

スポンサーリンク

Comment

  1. ルチ より:

    私もPCでサーバ立ててます。
    納戸をサーバルームとしてるので、騒音や見た目には気を使う必要ないのですが、24時間稼働なので、省電力優先で考えます。なので、結果的にファンレス+SSDになりますが、あっという間に容量足りなくなるので、USBHDDを追加しています。
    たしかにPCだと、サーバソフトをいろいろ試せるのはメリットですね。どれも一長一短あって、まだまだおもしろいところ。
    あと、最近のネット事情を鑑みると、このへんの高音質音源もあと数年で、クラウド化していくのだろうなと感じています。

    • sakakihajime より:

      ユーザーが所有する音源も含め、いつかはすべての音源がクラウド化されるのだと私も思います。

      もっとも、そうなったところで音源の保存場所と配信経路が変わるだけでシステムにおける「サーバー」という役割は変わりませんから、サーバーについてアレコレと考えるのは決して無駄になるまい、と思うところです。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【祝】『グラディエーター』がUHD BD化

アカデミー5部門受賞「グラディエーター」5月9日4K Ultra HD

【祝】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』がUHD BD化

Star Wars: Episode VIII - The Last

【レビュー】Black Ravioli BR.Pad / BR.Base 設置編→音質編

【2018/02/06初出の設置編に音質編を追加】  B

【地元探訪・神様セカンドライフ編】院内の怪猿・貞宗

 ここんとこ猿無双が続いているので。 77話「怪猿が征く」 7

HiVi 2018年3月号で記事を執筆しました【おまけつき】

 本日発売。 月刊HiVi 3月号 2/17発売 HiVi3

【BDレビュー】第356回『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』

https://www.youtube.com/watch

【BDレビュー】第355回『龍の歯医者』

 むしろコレが欲しかった。  特別版は高かった……

BenQの20万円を切る4K/HDRプロジェクター「HT2550」

20万円を切る4K/HDRプロジェクタ。ベンキュー「HT2550」は「

【UHD BDレビュー】第54回『ターミネーター2』 米国盤

【BDレビュー】第106回『ターミネーター2』

【UHD BDレビュー】第53回『ダンケルク』

画質:10 音質:限りなく15と同質な10 (評価の詳

【UHD BDレビュー】第52回『インターステラー』

【BDレビュー】第303回『インターステラー』

【UHD BDレビュー】第51回『インセプション』

【BDレビュー】第185回『インセプション』 画

【UHD BDレビュー】第50回『ダークナイト ライジング』

 祝・【UHD BDレビュー】もついに50回。

【UHD BDレビュー】第49回『ダークナイト』

【BDレビュー】第102回『ダークナイト』 【AV史

【UHD BDレビュー】第48回『バットマン ビギンズ』

【BDレビュー】第173回『バットマン ビギンズ』

JPLAYStreamerでfidata Music Appが使えるようになった

 fidata Music AppがバージョンアップしてJPLAYSt

ESOTERIC N-03T

エソテリック、初のネットワークオーディオトランスポート「N-03T」。

【ハイレゾ音源備忘録】すぎやまこういち・東京都交響楽団 / 交響組曲「ドラゴンクエストXI」過ぎ去りし時を求めて

なぜハイレゾ音源を買うのか ・アーティスト /

アイ・オー・データ Soundgenic ― ネットワークオーディオの呼び水となるか

アイ・オー、エントリー向けオーディオNAS「Soundgenic」。1

【レビュー】SOULNOTE A-2 続・音質編 ― 純正ボード「SSB-1」と純正ケーブル「SBC-1」

【レビュー】SOULNOTE A-2 導入・外観・運用編 【レビ

→もっと見る

PAGE TOP ↑