【ネットワークオーディオTips】Asset UPnP - 概要とナビゲーションツリー

 ソフトのバージョンアップに伴い、2013/12/09初出の記事を刷新。

サーバーソフトの紹介と検証

 Asset UPnP。
 知る人ぞ知る音楽配信専用のサーバーソフト。
 昔々の「RipNAS」製品の中身だったことがあるくらいで、今現在メーカーから出ているNASとは無縁。普通に暮らしていればまず出会うことがないだろう。
 そのため、使うとなれば基本的に自分で買って、自分でインストールする必要がある。
 ただし対応OSの幅は広く、QNAPでも使えるため、活用する機会が限られているというわけではない。
 しかしてその実態は。

【基本情報】

・作っているところ
Illustrate(dBpowerampと同じ会社)

・対応OSと機器
Windows(Home Server含む)・Mac・Linux・Raspberry Pi・QNAP

・価格
Windows:26ドル
Mac:28ドル
Linux:29ドル
Raspberry Pi:20ドル
QNAP:30ドル
※30日間は無料で全機能が使え、それ以降も機能制限はかかるがそのまま使用可能。

・検証時のバージョン
Release 5.1(Windows)
※R5以上になっているのは現状Windows版のみ

Release 6

【機能】

・対応フォーマット
DSDはもちろん、PCM系から見たこともないフォーマットまで片っ端から対応している。
タグの取り扱いも完璧。
※DSDはR5で対応したが、ビットストリーム以外は色々と制限があり動作も不安定

・画像配信能力
この記事を参照。
R5でもサムネイルの解像度が落ちる場合がある。

・「同一アルバム・複数ディスク」音源への対応
そのまま一つのアルバムにまとめるか、ディスク単位で分けるかを選べる。

・各種設定とカスタマイズ性
充実しすぎていて逆に困る
ナビゲーションツリーの完全なカスタマイズが可能。

【初期状態のナビゲーションツリー】

 タグが反映される部分は「 」にしている。
 (一部、選曲に無関係な項目は省いている)

 Asset UPnP

  →Artist / Album
    →[All Artists]
      →すべての「アーティスト」
        →選択した「アーティスト」のすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内における「アーティスト」の「タイトル」
        →[All Tracks]
          →選択した「アーティスト」のすべての「タイトル」
    →[A..] ~ [0-9](日本語のアーティストはここに入る)
      →頭文字が含まれるすべての「アーティスト」
        →選択した「アーティスト」のすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内における「アーティスト」の「タイトル」

  →Album
    →[All Albums]
      →[All Tracks]
        →すべての「タイトル」
      →すべての「アルバム」
        →選択した「アルバム」内のすべての「タイトル」
    →[A..] ~ [0-9](日本語のアーティストはここに入る)
      →頭文字が含まれるすべての「アルバム」
        →選択した「アルバム」内のすべての「タイトル」

  →Title
    →[All Titles]
      →すべての「タイトル」(Title=タイトル、曲のこと)
    →[A..] ~ [0-9](日本語のアーティストはここに入る)
      →頭文字が含まれるすべての「タイトル」

  →Composer
    →[All Composers]
      →すべての「作曲者」
        →選択した「作曲者」が含まれるすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」における「作曲者」が作曲した「タイトル」
        →[All Tracks]
          →選択した「作曲者」が作曲したすべての「タイトル」
    →[A..] ~ [0-9](日本語の作曲者はここに入る)
      →頭文字が含まれるすべての「作曲者」
        →選択した「作曲者」が含まれるすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」における「作曲者」が作曲した「タイトル」
        →[All Tracks]
          →選択した「作曲者」が作曲したすべての「タイトル」

  →Genre
    →すべての「ジャンル」
      →選択した「ジャンル」に該当するすべての「アーティスト」
        →選択した「アーティスト」のすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内における「アーティスト」の「タイトル」
        →[All Tracks]
          →選択した「アーティスト」のすべての「タイトル」

  →Style
    →すべての「スタイル」(※dBpowerampでいじれる「第二のジャンル」的なタグ)
      →選択した「スタイル」に該当するすべての「アーティスト」
        →選択した「アーティスト」のすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内における「アーティスト」の「タイトル」
        →[All Tracks]
          →選択した「アーティスト」のすべての「タイトル」

  →Dynamic Browsing
    →Artist
    →Composer
    →Conductor
    →Chorus
    →Orchestra
    →Soloists
    →Instrument
    →Period
    →Genre
    →Style
    →Year
    →Rating
    →[Exclude]
      →Artist   ※各項目でループするようになっている
      →Composer
      →Conductor
      →Chorus
      →Orchestra
      →Soloists
      →Instrument
      →Period
      →Genre
      →Style
      →Year
      →Rating
      →[Exclude]
      →[Jukebox Track Selection]
      →[Jukebox Album Selection]
      →[List Tracks]
      →[List Albums]
      →[List Artists]

※Dynamic Browsingの仕組み
 各項目でソートをかけ、もういいなと思った段階で[List Tracks][List Albums]を押して結果を表示させる。
 例えば、「ジャンル:クラシック」→「作曲者:ベートーヴェン」→「指揮者:カラヤン」→「オーケストラ:ベルリンフィル」→「年:1970」とソートしたうえで、[List Albums]で該当するアルバムを表示する、なんてことが可能になる。
 Asset UPnPならではの強力極まりない機能。
 R5で[List Albums]が明示的に選べるようになり、著しく使い勝手が改善された。

  →Internet Radio [Tunein Radio]
   ※大量の局がプリセットされているが、残念ながら私の環境では機能しない

  →Playlists
    →[New Albums]
    →[New Tracks]
    →[Top Albums]
    →[Top Artists]
    →[Top Tracks]
    →[Recent Albums]
    →[Recent Tracks]
    →[Jukebox Album Selection]
    →[Jukebox Track Selection]
    →[Least Played Albums]
    →[Least Played Tracks]
     ※Asset UPnPが見繕って色々と提案してくれているの図

  →Advanced Search(より詳細な分類の集まりと考えればよい)
    →Album Artist / Album
    →Album by Release
    →Album by Artist
    →Compilation
    →Bits
      →16bit
      →24bit(DSDはなぜかこっちに含まれる)
    →Contibuting Artist
    →Conductor
    →Chorus
    →Orchestra
    →Soloists
    →Instrument
    →Period
    →Folders & Filename Browsing(いわゆるフォルダで見ていく方法)
    →PC Sound Capture [WASAPI](PCで鳴る音をストリーミングする謎機能)
    →Rating
    →Type
      →コーデックによる分類
    →Year
    →[Details](ライブラリに含まれる曲数とAsset UPnPのバージョンの表示)

【所感】

 上のナビゲーションツリーを見てのとおり、異様なまでの充実ぶりである。
 ブラウズで活用可能なタグの種類は群を抜いている。さすがはdBpoweramp CD Ripperを作っているメーカーのサーバーソフトと言うべきか。愛情を込めて音源にタグ付けしてきた労力が完璧に報われる。
 各種設定項目も非常に充実しており、詳細は導入・設定・運用編を見てほしいが、理解して使いこなせば最強のサーバーソフトと化す。
 特にクラシック愛好家にとっては決定打になり得る。
 単なるマイナーなサーバーソフトのまま終わらせるにはあまりにももったいない。
 
 

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