【ネットワークオーディオTips】foobar2000を用いたPCのサーバー化

 PCオーディオの文脈で、foobar2000を取扱う記事は枚挙に暇がない。
 foobar2000のUPnP機能を紹介する記事も多く存在するが、純然たるネットワークオーディオの文脈での活用について書かれたものはそう多くない。

 というわけで、実際にネットワークオーディオの文脈で使うとどうなるのか、順を追って見ていこう。

◎下準備
・PCに完璧なライブラリを作る
・foobar2000をインストールする
・foobar2000にUPnPコンポーネントをインストールする

 インストール・導入云々については【ネットワークオーディオTips・実践編】の記事で詳しく書いた。

 UPnPサーバーの設定については基本的にいじる必要はないが、必要に応じて以下のようにしたほうがいい。
 色々と変換して配信する設定も選べる。
20131215foobar2000設定画面

 これでfoobar2000をサーバーとして使用可能になる。

 foobar2000 UPnP Serverの機能は以下のとおり。

・対応フォーマット
おおよそ必要とされるものにはすべて対応している。
一応DSDにも対応。

・画像配信能力
この記事を参照。

・「同一アルバム・複数ディスク」音源への対応
問題なし。

 foobar2000 UPnP Serverのナビゲーションツリー(初期状態)は以下のとおり。

 foobar2000 UPnP Server

  →Playlists(省略)
  →Playback Stream Capture(省略、素敵かつ謎の機能)

  →Media Library

    →Albums
      →すべての「アルバム」
        →選択した「アルバム」内のすべての「タイトル」

    →Artists
      →すべての「アーティスト」
        →[All Tracks]
          →選択した「アーティスト」のすべての「タイトル」
        →選択した「アーティスト」のすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内における「アーティスト」の「タイトル」

    →Album Artists
      →「アルバムアーティスト」のすべての「タイトル」(アルファベット順&50音順)

    →Genre
      →すべての「ジャンル」
        →選択した「ジャンル」に該当するすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内のすべての「タイトル」

    →Years
      →すべての「録音日」(年数のみ)
        →選択した「録音日」に該当するすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内の、該当する「録音日」の「アルバム」

    →Compilation
     ※複数のアーティストが参加しているアルバムを表示するようだが詳細不明

    →Codecs
      →「FLAC」
        →「FLAC」の全音源
      →「MP3」
        →「MP3」の全音源
      →「 ※ 」
        →「 ※ 」の全音源
       ※要はサーバー内の音源のコーデックによる分類

    →Folders
      →監視している音源フォルダの構造の通り
       (いわゆるフォルダで見ていくという方法)

 ここからはおまけ、foobar2000でPCをサーバー化するついでにネットワークオーディオプレーヤーとしても使う。

 あとはネットワークオーディオのコントロールアプリで操作すればいい。
 前の記事でKinskyと言った手前、Kinskyを使おう。

 foobar2000以外のサーバーはとりあえず無視。
1

 サーバー、そして再生機器(アプリによって呼び名は様々)にfoobar2000を選んだら、あとは何も気にせずナビゲーションツリーを降りていって選曲すればいい。
2

 で、再生するとご覧の通り。(拡大推奨)
3

 Kinskyの画面と、実際にfoobar2000で再生している曲の情報が一致している。
 まさにこの瞬間、再生機器(この場合はPC)からコントロールをネットワーク越しに独立させている。

 Kinskyで曲送りをすれば、もちろんfoobar2000も追従する。
4

 以上。

 基本的にUPnPコンポーネントをインストールするだけで、ネットワークオーディオ環境が出来上がる。
 NASは要らない。単体プレーヤーだって要らない。

 ネットワークオーディオの本懐を体験するには、PCとスマホさえあれば十分なのである。

※2014/06/15追記 2015/08/22さらに追記 2016/01/26また追記※

 Kinskyを使用すると、プレイリストの曲が連続再生されないことを確認した。記事の初出時にはそこまで検証できていなかった。
 また、DiXiM DMCを使用すれば、問題なくシークもスキップもでき、プレイリストの曲も連続再生されることを確認した。
 使うアプリによって色々な挙動がある模様。
 というわけで、“foobar2000をDMCでコントロールする”するのは、あくまで“ネットワークオーディオの操作感を体験する”だけに留めておいたほうがいい。

 真にfoobar2000を使ってネットワークオーディオを実践するには、『MonkeyMote 4 foobar2000』『foobarCon』と組み合わせることをすすめる。

 あるいは、BubbleUPnP Serverと組み合わせて使うという手もある。
 これならば、純粋なネットワークオーディオプレーヤーとしても不満はない。

※追記ここまで※

 今すぐやってみよう。

 ネットワークオーディオの門戸はいつでも開いている。
 
 

【ファイル再生の基礎知識】まとめ 音源管理からネットワークオーディオの実践まで いわゆるPCオーディオでも、いわゆるネットワークオーディオでも、両者の根幹には共通して、『デジタル・ファイル音源』が存在する。 ...
【Roon】関連記事まとめ 音楽愛好家のための「総合音楽鑑賞ソフト」、Roon。  「聴くだけにとどまらない多面的な音楽の楽しみ」が得られることから、私は単...
各種レビュー/インプレッションまとめ Roon関連機器(Roon Server/Roon Readyプレーヤー)は別記事で紹介している。 プレーヤー/DAC/...