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【ネットワークオーディオTips】ネットワークオーディオの三要素――『サーバー』・『プレーヤー』・『コントロール』

公開日: : 最終更新日:2017/08/04 PC・ネットワークオーディオ関連, オーディオ・ビジュアル全般

 「はじめに」でも言っているように、ネットワークオーディオは簡単ではない。

 しかし、決して理解不能な代物でもない

 ネットワークオーディオが兎角「難しそう」というイメージを持たれている理由の一つに、「全体像の欠如」があるように思う。
 構築しようとしているシステムの全体像をイメージする前に、NASは何がいいとか、どのプレーヤーが音がいいとか、そういった各論に終始してしまうのはよろしくない。
 NAS、単体プレーヤー、スマホにタブレット……機器そのものにばかり意識を向けるのではなく、それぞれが果たす「機能」あるいは「役割」を理解すれば、ネットワークオーディオ全体に対する理解は大きく深まる。
 そしてそれらを理解することで、実際の機器に求めるものも見えてくる。

 そこで、ネットワークオーディオの全体像を掴んでもらうべく、

『サーバー』
『プレーヤー』
『コントロール』


 という三要素を提示したい。

 ネットワークオーディオを説明するための、特定のソフト・機器・システム・プラットフォームに限定されない普遍的な方法。
 この三要素は、私自身でそれを考えて考えて考え続けた結果辿り着いたものだ。

 ちなみにこのアイデアの出発点はDLNAにおけるデバイスクラスである。



『サーバー』とは何か。

 音源を保存して読み込み、データベース化して提示し、プレーヤーに配信するもの。
 あくまで機能であり、役割。
 配信という言葉が問題になる場合は、もっと単純に「音源の在り処」と考えればいい。
 なお、音源の保存場所(ストレージ)は必ずしもサーバー機器本体とは限らない。サーバー機器それ自体にストレージが搭載されていなくても、USBドライブやNASを接続して使うことができる。
 そしてサーバーの置き場所は、ローカルでも、クラウドでも構わない。例えばTIDALといったストリーミングサービスは、インターネット上の巨大なサーバーを利用するというイメージで考えることができる。

 内的にサーバーソフトが動く機器(NASやPCなど)がサーバーとなる。ライブラリ統合型再生ソフトのライブラリ機能とサーバーソフトは本質的に同じ機能(データベース化)を担っている。
 サーバーソフトが音源を取り込んで共有することで、コントロールアプリからの音源の閲覧やプレーヤーへの配信が可能になる。コントロールアプリに表示される音源の情報は、基本的にサーバー側から提供されたものとなる。

 サーバーソフトは取り込んだ音源ファイルについて、タグやファイル名に基づいてデータベース化を行い、視覚的なライブラリとして機能させる。ユーザー自身による「音源管理とライブラリの構築」は、まさにここで生きた形を得る
 データベース化の際にどのタグを参照し、どのように音源/ライブラリを提示するかは使用するサーバーソフトに依存する。この『音源のブラウズ/選曲の際の階層構造』のことを、特に『ナビゲーションツリー』と呼んでいる。ナビゲーションツリーはサーバーソフトの使い勝手に直結する非常に大切な要素である。
 もちろん、サーバーソフトの側でタグに基づくデータベース化を行わず、音源フォルダの構造そのままに提示することもできる。この場合、サーバーソフトが提供するナビゲーションツリーの中に「フォルダ」的な名称で用意されていることが多い。



『プレーヤー』とは何か。

 サーバーから配信された音源/データを処理・再生するもの。プレーヤーの側から「音源の在り処」としてのサーバーに読みに行く場合もある。
 たいていの単体ネットワークオーディオプレーヤーはコントロール機能(機器自体でも操作可能)を持つが、その有無は問題ではない。
 つまり、プレーヤーとは、再生(スタート)とかスキップとか停止といったコントロールとは別の、音源の再生機能そのものを指す。DACの有無は関係なく、あくまで「データ処理としての再生」を担うものが「プレーヤー」である。
 プレーヤーもまた「機能」あるいは「役割」と言える。よってオーディオ機器だけでなく、PCの再生ソフトもプレーヤーと捉えることができる。

 レンダラーやらストリーマーやらミュージックサーバーやらネットワークブリッジやら、機器によって様々な製品ジャンルで呼ばれるが、「音源の再生機能」を持つ以上、これらはみな「プレーヤー」である。
 なお、プレーヤーからの音声出力はアナログかデジタルかを問わない。デジタル出力を行う機器はオーディオの伝統に則れば「トランスポート」と呼ばれるが、機能としては紛れもなく「プレーヤー」である。
 機能としての名称と、製品ジャンルとしての名称の違いに要注意。

 ちなみに……
 コントロールを外部に任せ、「データ処理としての再生(=レンダリング)に特化」した類の機器は、特にその機能/性格を指して「レンダラー」と呼ばれる場合がある。DLNAのデバイスクラスにもこの名称がある。
 TIDALやらQobuzやらSpotifyやらに対応し、「ストリーミングサービスの受け皿」となる類の機器は、特にその機能/性格を指して「ストリーマー」と呼ばれる場合がある。ネットワークによるデータ伝送それ自体も「ストリーム」であり、そういう文脈でも使われる。
 ネットワーク入力でデータを受けてUSBで出力する機器は、特にその「ネットワークとUSB DACを繋ぐ」という機能/性格を指して「ネットワークブリッジ」と呼ばれる場合がある。要は、単にUSB出力を持ったネットワークオーディオトランスポートのことである。



『コントロール』とは何か。

 サーバーが提供する音源/ライブラリの情報を参照し、曲を選び、プレイリストを作り、再生する・停止する・スキップする・シークするといった、実際に音楽を再生する際の操作、あるいは音楽再生という行為そのもの。また、そのためのインターフェース全般。
 コントロールもまた、機器そのものではなく「機能」あるいは「役割」と言える。
 スマホやタブレットはコントロールアプリを入れることで、『コントロール』の役目を担うことが出来る。すなわち『コントローラー』とは、「コントロールアプリをインストールした端末」のことである。
 サーバーを広義の音源、プレーヤーを広義の再生機器と捉えれば、ネットワークを活用したコントロールこそ他の方法論と決定的に異なる要素であり、ネットワークオーディオの本質だと言っていい。

 一応言っておくと、アプリにおいて「プレーヤー」と「コントロール」の混同がよく見られるので、その辺は要注意。
 例えばLinnのKinskyやKazooはあくまでコントロールアプリであって、プレーヤーアプリでない。「再生」を担うのはプレーヤーである。



 普遍を目指して考え出したこの「サーバー・プレーヤー・コントロール」モデルは、従来のUPnP/DLNAベースのシステムだけでなく、PCの再生ソフトを使う場合や、オールインワンのミュージックサーバー、そしてRoonにだって適用できる。
 ネットワークオーディオを全体として理解するために、覚えておいて損はない。


 『サーバー』・『プレーヤー』・『コントロール』の関係を端的な図に示すとこうなる。

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 これらがネットワークオーディオの三要素と、それぞれの役割である。



 例えば単体サーバーと単体ネットワークオーディオプレーヤーを使う最も基本的なシステムの場合、実際に各要素を担う機器はネットワーク――LANで接続されている。
 基本的にサーバーとプレーヤーはLANケーブルで、コントロール端末は無線で繋ぐ。
 無線LANルーターとの接続関係を上の図に入れ込むとこうなる。

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 ミュージックサーバー、プレーヤーに直結できるLANポートを持つサーバー、あるいはPCを使うシステムの場合など、さらに詳しくは、

全体の流れ――音源の管理運用からシステムの構築まで

 この記事を参照。
 


 ネットワークオーディオとは『音楽再生におけるコントロールの方法論』である。

 ネットワーク越しに再生機器からコントロールが独立し、それにより実現される快適な音楽再生こそ、ネットワークオーディオの本懐に他ならない。


 大切なのは快適に音楽が聴けること。

 それに尽きる。



全体の流れ――音源の管理運用からシステムの構築まで


Roon関連記事まとめ

【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

よくある質問と検索ワードへの回答

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