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【音源管理の精髄】 はじめに 【ネットワークオーディオTips】

公開日: : 最終更新日:2017/03/16 PC・ネットワークオーディオ関連, オーディオ・ビジュアル全般

 オーディオならではの高音質と、音楽再生における快適さ。その完全な両立
 『ネットワークオーディオ』に、私はオーディオという趣味の未来を見出した。

 しかし……

 そもそもネットワークオーディオとは何か?
 PCオーディオとネットワークオーディオは別物なのか?
 システムを構築するために何が必要なのか?
 音源はどのように管理すればいいのか?
 タグとは何か?
 表示される曲名がおかしいぞ?
 曲順がアルバム通りに並ばないぞ?
 アルバムアートが汚いぞ?
 よく目にするけどUPnP/DLNAって何だ?
 サーバーって何だ?
 プレーヤーって何だ?
 コントロールアプリって何だ?
 一曲で再生が止まるけどどうなってんの?

 LINN DSが登場してから、そして日本において本格的にネットワークオーディオという領域が生まれてから、既に長い時間が経った。
 その一方で、ユーザーがアクセスできるノウハウ、本当に必要な情報の提供と蓄積が一向に為されない様を、私はずっと見てきた。
 数多の疑問や課題がある一方、回答も、解決策も、まるで提示されてこなかった。
 それどころか、誤解と無理解と無責任な評論と売り文句ばかりが氾濫し、何が良くて何が悪いのかさえまるでわからない、という悲惨な状況に陥っていたのである。
 これでは普及も盛り上がりも何もあったものではない。

 LANケーブルで音が変わるとかWAVとFLACで音が違うとかハブの導入が音に効くとか何とかって大騒ぎする前にやることがあると言っているのである。

 ネットワークオーディオという領域が浸透・普及・発展するためには、音源の管理運用からシステムの構築、実際の音楽再生に到るまで、本質的なノウハウの蓄積と提供が絶対に必要だ。
 ほんの表層を撫でただけで終わってはいけない。枝葉末節に走りすぎてもいけない。
 どんなに困難でも、どんなに面倒でも、いつかは誰かがやらなければならない。
 とはいいつつ、他の誰かがやってくれると期待したところで埒が明かない。

 ……というわけで、私がやることにした。


 さて、ネットワークオーディオは簡単ではない

 しかし、決して意味不明でも理解不能でもない

 だからこそ、全体像と各要素の双方を的確に、かつ分かりやすく伝える必要がある


 いきなり「簡単ではない」などと言うと、その時点でネットワークオーディオの間口を狭めてしまうおそれがあることは承知している。今まで様々な媒体で「簡単」「便利」「快適」といった言葉が無造作かつ安易に使われてきたが、軽々しくそんな言葉を吐けるほど私は無責任ではない。よって、この辺りは覚悟の上だ。

 とはいえ、安心してほしい。
 きちんと順を追って見ていけば、ネットワークオーディオは必ず理解・実践できる

 ネットワークオーディオのシステムを構築して、単に音を出すというだけなら、さほど難しくはない。もしかしたら簡単と言ってしまっていいかもしれない。
 最も分かりやすい例だと、ネットワークオーディオプレーヤーとNASを買ってきて、無線LANルーターとLANケーブルで繋ぐだけ。接続さえ間違わなければ機器同士は即座に認識し合い、音源の再生も問題なくできる。
 しかし、そこから一歩進んで、ネットワークオーディオの真価たる「快適な音楽再生」を実現しようと思えば、音源の段階から理解すべきこと、把握すべきこと、実践すべきことは多岐に渡る。どのレベルまで追求するかは人によって異なるにせよ、必要なノウハウそのものは厳然と存在する。
 必要な事柄をきちんと理解し、実践した先にこそ、ネットワークオーディオがもたらす真の福音が待っている。


 決して従来のディスクをベースにしたオーディオの形を否定しているわけではない
 ディスクという物理メディアそのものを再生に使わなくなるのは確かだが、多くのユーザーにとってCDこそ音源の大元であるという価値は揺るぎない。


 【音源管理の精髄】と【ネットワークオーディオTips】で書いていく内容は、ネットワークオーディオを始めた私自身が試行錯誤を繰り返し、ひとつひとつ蓄積してきたものだ。
 少なくとも私は「自分だけ分かっていればいいや」などとは決して思わない。そんな風に思っているのなら、最初からこんなブログはやっていない。
 今までの実感、経験として、現に情報やノウハウにアクセスできず途方に暮れているユーザーは多い。ユーザーだけでなく、総じてオーディオ業界そのものが未だに右往左往を続けていると言ってもいい。

 ネットワークオーディオに大きな可能性を見出した者として、このような状況はとても放ってはおけない。これから始めるユーザーが経験する必要のない苦労を回避し、現時点で苦闘しているユーザーが最短で最適解に辿り着くために、私は出来る限りのことをしたい。ブログに限らず、伝える手段や機会があるのなら最大限に活用したい。
 最終的には、ここで書いた種々のノウハウが、オーディオ業界であまねく「そんなことは言うまでもなく分かっている!」という状態、共通理解になってほしいと願っている。
 全体の底上げがなされれば、きっと今よりも、ずっと素敵な状況になるはずだ。
 出し惜しみはしない


 【音源管理の精髄】と【ネットワークオーディオTips】は、『デジタル・ファイル音源の管理』から始まる。そして、音源を最大限活用する方法として、『ネットワークオーディオ』を提案している。音源をきちんと管理し、自分自身のライブラリを構築するという前提なくして、ネットワークオーディオは成立しない。
 なお、ここで私が定義する『ネットワークオーディオ』とは、今日のオーディオ業界で一般的に言われているそれとは異なる、より包括的な概念である。この辺りについては個別記事(ネットワークオーディオの本質)を読んでもらいたい。


 居ながらにしてすべてを見、すべてを操ることで得られる、音楽再生における筆舌に尽くしがたい快適さ。

 これこそ、ネットワークオーディオの真のメリットであり、私が多くの人に味わってもらいたいと願ってやまないものだ。


 繰り返すが、音質と快適さの両立を叶えるものがネットワークオーディオである。
 ただ、数ある方法論の中で、なぜネットワークオーディオを実践するのかということを考える時、その答えはどうなるだろう。

 オーディオ機器として考えれば、ネットワークオーディオがシステムの中で果たす役割はあくまでソースであり、再生機器の範疇ということになる。
 単にハイレゾを含むデジタル・ファイル音源を再生したいというだけなら、狭義のPCオーディオで事足りる。別にネットワークという要素が入り込む必要はない。
 単に高音質を追求したいというだけなら、レコードプレーヤー然り、CDプレーヤー然り、他にいくらでも選択肢がある。別にネットワークオーディオでなければならない必然性はない。他の方式に比べてネットワークオーディオには音質的な優位性があるとか、USBよりもLANを使うほうが音が良いとか、そんなことを言うつもりは毛頭ない。
 ネットワークオーディオのシステムを聴いて音が良いと思っても、それは使ったプレーヤーの音が良かったのであり、アンプの音が良かったのであり、スピーカーの音が良かったのであり、システムトータルの音が良かったに過ぎない。「ネットワークオーディオだから音が良かった」わけではない。

 結局のところ、単に「音が良い」というだけでは、ネットワークオーディオを実践する理由とはならない。
 もちろん、純粋に素晴らしい音質のネットワークオーディオプレーヤーが存在し、その機器を使いたいがためにネットワークオーディオをはじめるというなら、それはそれでオーディオ趣味として至極当然の姿と言えよう。

 しかし、快適さは違う。
 ネットワークを活用したコントロールで実現する音楽再生における快適さは、他の方法論にはない隔絶した魅力となる

 音質は、いかにセッティングを突き詰め、工夫を重ねたところで、機材や環境構築のためにどれだけ投資できるかにも大きく左右される。高額なものが無条件で良いとは言えないにせよ、「安くて高品質」にも限界はある。こればかりはどうしようもないし、その「安くて高品質」な製品を買うためにだって、ある程度の資金は必要になる。
 一方で、「快適な音楽再生」を実現するための投資はほぼ必要ないか、もしくは一般的なオーディオの観点からすれば、驚くほど安く済む。
 快適な音楽再生を手に入れるために高額な機器を購入する必要もないし、高額な機器を購入したところで快適な音楽再生が保証されるわけでもない。
 総額1000万円のシステムでも総額10万円のシステムでも、オーディオ機器に投資した金額とはまったく無関係に、ネットワークオーディオの実践で快適な音楽再生は実現する。ネットワーク環境とライブラリの構築によって、かつてないほど快適に音楽を聴けるようになる。
 そしてこれが、ネットワークオーディオは生粋のオーディオマニアだけでなく、音楽を愛するすべての人々にとって真に魅力的だと信じている理由でもある。
 音質以前に、音楽を聴くという行為は誰にとっても平等だ。


 オーディオが「いい音で聴く」ためのあらゆる営為だとすれば、「いい音で」の部分にばかり関心が向けられ、「聴く」という部分があまりにもないがしろにされていると感じる。
 オーディオ趣味において、音楽再生という行為は聴くことと同義である。この部分がもっと快適になれば、他ならぬ音楽に触れる機会、音楽との繋がりは最大化する。快適な音楽再生、快適に音楽を聴けることこそがネットワークオーディオの本懐であり、私が伝えたいのもまさにこの点である。

 オーディオ業界は音質を至上とする一方で、あまりにも多くのものを犠牲にしてきた。
 それが結果的に何をもたらしたかは、昨今の業界を取り巻く状況を見れば明らかだ。
 音質は、まずは快適に音楽を聴ける環境を構築してから、ゆっくりじっくり窮めていく、それくらいの姿勢でもいいのではなかろうか。
 ネットワークオーディオにおいて、高音質の追求と快適な音楽再生は、いともたやすく両立できるのだから。

 そしてそのために、私が五里霧中で七転八倒しつつ必死に積み上げたノウハウがどのような形であれ役に立つのなら、ネットワークオーディオに大きな可能性を見出した者として、喜びに堪えない。



全体の流れ――音源の管理運用・システムの構築・実際の音楽再生

【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

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Comment

  1. 清川 浩 より:

    はじめまして。
    今までオーディオから遠ざかっていましたが、今回自宅の新築を機にリスニングルーム作成と、
    どの部屋でも音楽が聴けるようにネットワークオーディオを勉強しはじめました。
    LINN DS/DSMを中心にして考えています。
    このサイトの情報が大変参考になっています。
    こんごとも読ませていただきますのでよろしくお願いします。

    • sakakihajime より:

      清川 浩さん

      これからもコンテンツを随時追加していきますので、ご期待ください!

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