canarino Filsの導入当初は、ちょいと思うところがあって、標準仕様になっているSOtMのUSBノイズフィルターを付けなかった。
 「オーディオ用PCは純粋なサーバーにも、サーバーとプレーヤーを兼ねるミュージックサーバーにもなる」と言いつつ、PC本体のUSB出力にハードウェア的な配慮を施してしまったら、結局ミュージックサーバー(プレーヤー)としての用途にばかり意識が向いてしまうのではないか。…………そう思ったのである。

 しかしまぁ、私とてオーディオファイルの端くれ、音を良くしたいという欲求は当然持っている。それに、canarino Filsをデジタル・ファイル再生のリファレンスに使おうと思えば、本体の音質を磨き上げることはやはり必要だ。

 というわけで、JCAT USBカードFEMTOを搭載することにしたのである。
 ちなみに、オリオスペックでは今後canarino Filsの購入時にJCAT USBカードFEMTOも選択できるようになるようだ。


JCAT USBカードFEMTO – JPLAY日本語公式サイト

JCATはJPLAYのサブ・ブランドで、高音質再生に適したPC周辺機器やケーブルなどを扱っています。


 外部電源を使う仕様にして、それ用にiPowerも用意した万全の布陣。


 JCAT USBカードFEMTOはUSB3.0ということで、音質比較にはオンボードもUSB3.0を使用した。


The Darkness / Growing on Me
James Brown / Get Up(I Feel Like Being A) Sex Machine
The Stone Roses / Daybreak
The Stone Roses / Good Times
Yes / Roundabout
Luther Vandross / She’s a Super Lady
映画『ヘアスプレー』より You Can’t Stop the Beat
Mark Ronson / Uptown Funk
Nao / Get to Know Ya
Meshell Ndegeocello / Stay
etc…

 The Darkness / Growing on Meを聴いた時は、高域の粗さが取れたはいいが、大人しくなっただけのようにも感じた。見通しもなんぼか良くなったようだが、正直んー……という印象。
 ところがどっこい、二曲目以降はまるで突如覚醒したかの如くオンボードのUSBとは打って変わった鮮烈な音を聴かせ始めた。起動直後で寝ぼけていたのだろうか。なにせ、年末年始で帰省していたついでに一緒に聴いていたオーディオ趣味とは無縁の弟が「これなら6万出すかも……」と言うくらいである。

 JCAT USBカードFEMTOは「雑味が取れて透明感が増し、見通しが良くなる」という方向の美点もありつつ、何より感心したのは低域の沈み込みと量感の両立である。特にLuther Vandross / She’s a Super Ladyでは、冒頭のドラム/ベースが別物の深みを見せ付けた。
 いつぞや聴いたSOtMのUSBハブ、あるいはSOtM謹製のsMS-1000SQ Windows Editionが繊細さと静寂の表現に長けているのに対し、JCAT USBカードFEMTOは総じて中低域に魅力的な厚みと熱を持っている印象を受ける。音源との相性や好みも当然あるだろうが、「歌」を聴くなら断然JCAT。LUMIN A1しかり、私はこの手の音が好きなようだ。


 アナログリニア電源の導入と、JCAT USBカードFEMTOの導入を経て、canarino Filsのハード面での強化はいったん終了。
 次に目を向けるのはもっと柔らかい部分になる。



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