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Roonの「魔法」の正体

公開日: : 最終更新日:2017/03/28 PC・ネットワークオーディオ関連, Roon, オーディオ・ビジュアル全般

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Roonは音楽鑑賞の未来たり得るか
Roon 導入編


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 RoonのOverview(初期画面)。
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 現在ライブラリのインポート中。
 あるいは、魔法をかけている最中。
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 そしてインポート完了。


 この初期画面の時点で、Roonの本質が見えている。
 そのまま下にずいーっとスクロールすると……
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「最近追加されたアルバムだよ!」
「こんなアーティストどう?」
「TIDALやろうぜ!」
「こんなジャンルがあるよ!」
「こんな作曲家はいかが?」


 ご丁寧な呼びかけとともに、超が付くほど甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。

 さらに画面左上のナビゲーションから「Discover」を選べば……
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 これでもかと言わんばかりに「こんなのどう?」が並ぶ。
 はたして自分は音楽を聴いているのか、それとも聴かされているのか?
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 Roonはユーザーに努力させない


 Roonはインポートした音源のアルバムタイトル、アーティスト、ジャンル、曲名、何から何までRoon色に染め上げ、Roon色のライブラリを構築してユーザーに提示する。(ファイルそのものには一切手を加えないのでその辺は安心)
 Roonはユーザーが精魂込めたタグをまるで表に出さない。設定次第で表示できるが、あくまでRoonのものが優先される。

 かなりの精度で自前のデータベースから情報を持ってくるので、ライブラリの構築に自分ルールを適用する気がまったくない人にとっては凄く楽かもしれない。
 ただし、結果として提示されるライブラリはあくまで「Roon色に染め上げられたライブラリ」であって、「自分にとって理想のライブラリ」ではない。

 もっとも、この「Roon色のライブラリ」というのは、実質的に「All Music」のデータベースに拠るところが大きいようだが。
 →現在、Roonのデータベースは「MusicBrainz」を利用している。


 では、その「Roon色のライブラリ」がどのようなものか、音源をブラウズしてみる。



 アルバム単位。
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 各項目にこんな分析まで用意されている。趣味がばれる。
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 実際にアルバムを選ぶとどうなるかはジャンルの部分で後述。
 


 アーティスト単位。
 この辺りからRoonが本領を発揮し始める
 ひとりひとりに画像が用意されている。が、見てのとおり完全ではない。情報が見つからなければそれっぽい画像で誤魔化している。そして日本人アーティストは基本的にスルーだと思っていい。
 あとからいくらでもユーザー側で差し替えはできるが。
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 そしてなんとなくRick Wakemanに辿り着く。
 あくまで「情報が見つかれば」の話ではあるが、誕生日や出身地など、別に知りたくもない情報まで片っ端から網羅されている。コンサート情報まであるし。
 近似のアーティスト、フォローされたアーティスト、影響を受けたアーティスト、コラボしたアーティスト、参加しているグループも完備。それらすべてに一発で飛べる。
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 この手の情報は見ているだけで面白い。
 ちょうとWikipediaの関連項目から次々に記事を渡り歩く感じ。



 そしてジャンル単位。
 Roonの真価はここでも発揮される。
 私は、少なくとも私にとって理想のライブラリを構築している。
 が、ここには私のライブラリには本来存在しないジャンルが表示されている。
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 「Pop/Rock」の中の「Artist Highlights」と「Album Highlights」。
 私のライブラリではBob DylanはFolkに統一しているし、Bill EvansをPopやRockにした覚えもないぞ。
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 そして大量に現れる、見たことも聞いたこともないサブジャンルの数々。
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 Roon色に染め上げられたライブラリと自分の認識との齟齬に苦しみながら、聴きたいアルバムに辿り着く。
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 いったいどこから掻き集めたのかと感心したくなるほどの情報の海。
 「Last FMにアクセスしてアーティスト情報が見れます」なんてレベルの話ではない。「All Music」の名は伊達ではないようだ。
 やはりあくまで「情報が見つかれば」の話ではあるが、アーティスト情報からグループのメンバーからディスコグラフィから歌詞から関連アルバムに到るまで網羅されている。
 数多くのジャンルが設定されているのは、つまるところ「このアルバムに辿り着く機会を最大化する」ためだ。
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 Roonは音源に元から付加されているタグを根掘り葉掘り取り出すのに加えて、Roon自身で大量の情報を付加する。で、その情報というのはAll Musicなどの様々なデータベースが活用されているようだ。
 「Album Editor」から覗いてみればこの通り。


 普通であれば表に出てこない「Style」に含まれる情報もジャンルとして徹底活用されている。ここからさらに情報を追加することもできる。
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 一方で、こちらは元のタグではなくRoonのデータが優先されている様子。
 だからアルバムアーティストが「Original Soundtrack」はおかしいでしょ……
 何度も言うようだが、あくまでタグよりもRoonのデータが優先される。
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 ちなみにアルバムアートについては「Prefer Best, Roon, or File?」となっているのだが、Roonが用意した画像と元から埋め込まれた画像でクオリティに差がありすぎて、ほぼ100%タグの画像が「Best」として使われている。やったぜ。



 All Musicを含めたRoonのデータベースは非常に広範かつ緻密であり、元からのタグも含めた大量の情報を有機的に繋ぎ合わせ、めくるめく「音楽の海」としてユーザーに提示する。

 これがRoonの言う「魔法」の正体である。


 With Context & Meaning

Music isn’t files and streams. It’s the work of passionate people who compose, collaborate, and perform live. Stop looking at lists and start experiencing a multi-dimensional world of music.


 単に音楽を聴くだけでなく、音楽を取り巻く膨大な情報への自由自在なアクセスをユーザーに提供すること。
 それが、ライブラリの主導権をユーザーから奪う代わりにRoonがもたらす恩恵である。


 しかし、やっぱり、何度も言うようでアレだが、Roonの魔法も完全ではない

 マイナーなアーティストやアルバムの情報が見つかりませんでした、ならまだいい。Unknownになるだけだから。
 困るのはRoon側の勘違いである。

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 上の画像ではMichael Jacksonの「King of Pop」から「Black or White」を再生しているように見える。
 が、実際に流れているのは「Beat It」。つまり曲名が間違っている。
 これは本来「King of Pop -Japan Edition-」であるところを、Roonがどっか別の国のエディションだと勝手に判断した結果である。日本版で悪かったな!

 微妙に近い勘違いをしたり、まったく見当違いの謎のアルバムを持ってきたり。
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 結局は同じところに行き着く。


 他にも問題はある。

 Roonが表示するジャンルと、そこに含まれるアルバムは、あくまで「Roon色に染まることのできた」ものに限られる。
 しかも初期状態ではファイルのタグ由来のジャンルを表示させない設定になっているので、「Roonが自分色に染めることのできなかった」ジャンルのアルバムは、Roonのジャンルから選ぶことができなくなってしまう。
 さらに、タグ由来のジャンルを表示させるように設定しても、まとめて「Uncategorized」にぶち込まれるという仕打ちを受ける。あくまでその中のサブジャンルという扱いである。
 変なジャンル名を付けて悪かったな!
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 Roonの「魔法」の正体と、それがもたらす恩恵について色々と見てきた。
 「滅茶苦茶便利だ!」と思うか、「余計なことすんな!」と思うかは人それぞれとして、とりあえず、間違いなく、楽しい
 知らなかった音源の側面が次々から現れ、怒濤の勢いで新たな発見がある。ライブラリが大きくなればなるほど恩恵も増すだろう。
 これもまた立派な音楽の楽しみ方である。
 私がRoonを再生ソフトではなく「総合音楽鑑賞ソフト」と呼ぶ理由でもある。

 さらに、TIDALにも魔法がかかる
 ライブラリに追加したTIDALの音源ははローカルの音源とほとんど同一の扱いとなり、ライブラリとしてシームレスに統合される。加えて、これまたローカルの音源のように、曲名・アーティスト・ジャンル・アルバムアートといった諸々の情報をソフト上で編集可能になる。本来ならば手の出しようのないクラウドの音源にも、Roonというレイヤーを用いることで、ユーザーの意思を反映させることができるのである。素晴らしい発想、お見事!
 「音楽の海」がTIDALの音源を取り込んで途方もない広がりを得るのは言うまでもない。


 純然たるブラウズの快適さなら、自分ルールで完璧に仕上げたライブラリと良く出来たコントロールアプリを組み合わせる方に軍配が上がるのは確か。
 しかし、音楽を取り巻く情報の海を探訪する楽しさこそ、Roonならではの巨大な魅力である。

 ユーザーの大事なライブラリを預かってRoon色に染め上げるのだから、より高い精度を実現すべく、日々プログラムやデータベースの改良・整備を行っているのだろう。
 要は、そのサービスに、その努力に、Roonという魔法に、年間1万数千円支払う価値を見出せるかどうか、である。


 設定・再生編はまた次回。



続・Roonの「魔法」の正体と、その限界


Roon関連記事まとめ

【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

よくある質問と検索ワードへの回答

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