【ファイル再生Tips】dBpoweramp Batch Converterを使ったWAV⇔FLACの一括変換

 今さら、わかりきっていることだとは思うが……

 とにかく「WAVか、FLACか」という不毛な議論を終わらせたい。
 
 

 dBpowerampに含まれているBatch Converterを使えば、すべての音源フォルダ一括で、WAV⇔FLACの相互変換が可能である。

 WAV⇔FLAC Lossless Uncompressedの一括変換ももちろん可能である。

 WAV⇔FLACだけではなく、AIFFやALACとの相互変換も可能である。

 「今まで全部WAVでリッピングしてきたからFLACでリッピングし直すなんて無理!」「ハイレゾ音源を間違えてFLACで買ってしまった! WAVで買い直さなきゃ!」などと悩む必要はない。

 さらに、例えば完璧にタグを仕込んだFLACをWAVに変換しても、dBpoweramp Music Converterならばタグの情報は保持される。

 つまり、「おれはWAV以外絶対に認めない! FLACなんてクソだ!」というユーザーであっても、タグの恩恵を受けられる。
 ※ただし、「タグが使えること」と「タグが機能すること」は別物である。
 
 

 ここまで言えば大丈夫だろう。
 

 以下に実践例を示す。
 
 

 コレがdBpoweramp Batch Converterの初期画面。
 音源フォルダの大元にチェックを入れれば……
WS000250

 ご覧のとおり、フォルダ内のすべての音源が選択される。
 「Convert」しよう。
WS000251

 すると、このように音源の変換――dBpoweramp Music Converterの画面となる。
 こうなると、対象となる音源の数が多いだけで、やることは普段と何も変わらない。
WS000255

 変換できるコーデックはご覧のとおり。
WS000253

 「FLAC Lossless Uncompressed」ももちろん選択できる。
WS000252

 で、あとは「Convert」するだけ。
 ただそれだけ。
 (※保存場所はきちんと設定すること!)
WS000254
 

【2018/02/04追記】
 

 (※保存場所はきちんと設定すること!)と書いたが、不親切だったようだと反省。
 設定の様子を以下に示す。
 

 dBpoweramp Music Converterの仕様として、変換先のフォルダを選ぶだけでは、初期設定で[track] [title]、つまり「変換先のフォルダにただ楽曲だけが並ぶ」状態になる。

 変換前のフォルダ構造を維持するためには、「Dynamic」を選択し、変換先のフォルダ構造を指定してやる必要がある。
 例えば私の場合、「ジャンル」→「アーティスト」→「アルバム」→「楽曲」という構造でフォルダ管理をしているので、[genre]\[artist]\[album]\[track] [title]と記述する。

 直接記述もできるが、「どんな記述をすればどんなフォルダ構造になるんだ」となった時は、「Set」で確認と指定が可能。
 参考例もあるのでわからないなんてことにはなるまい。

 

 結果、こうなる。

 変換前

 変換後

 「folder.jpg」といった類の画像を持ち越すことはできないようだが(追記参照)、どのみち画像はアルバムアートにタグとして埋め込んでいるので問題はない。
 
 

【2019/03/12さらに追記】

 「Folder.jpgなどのアルバムアートは、コンバート設定でDSPエフェクト> Folder.jpg preserve を追加すればコピー先のフォルダにコピー可能です」とのコメントを頂いたので、再検証。
 

 とりあえず、アルバム単位ではなくファイル単位での変換ではどうなるか。

 「Options」の「Add」→「Add DSP Effect」から「Folder.jpg Preserve」を追加。

 ふむ。

 テスト用のフォルダに出力してどうなるか。

 お!

 というわけで、無事元のフォルダに入っていた「folder.jpg」が出力先フォルダにも保存された。dBpoweramp Music Converterの画面では「Folder.jpg」と頭文字が大文字だが、「folder.jpg」でも問題なく扱ってくれるようだ。
 
 

 続いて、この記事の肝である「Batch Converterによる複数の音源の一括変換」ではどうなるか。









 というわけで、こちらも問題なし。

 確かに、dBpoweramp Batch Converterを使った音源の一括変換では、「folder.jpg」も変換先のフォルダに持ち越すことができる
 
 

 CDのリッピングを目的に導入して随分と経つが、正直なところ、私もここまでdBpowerampが至れり尽くせりとは思っていなかった。

 pianori様、コメントありがとうございました!
 
 

【追記おわり】
 
 

 これだけで、アルバムが何百枚あろうが何千枚あろうが、WAV⇔FLAC Lossless Uncompressed⇔AIFF⇔ALACの一括相互変換が可能。

 面倒なことなど何もない。
 
 

 さて、次に気になるのは、「本当にFLAC→WAVの変換でタグの情報は保持されるのか?」ということだろう。

 百聞は一見に如かず。
 

 まずはオリジナルのFLAC。
 FLAC Lossless Uncompressedでリッピングしたもの。
 Tingvall Trioの素敵な音源である。
WS000256
WS000257

 これを変換する。
 せっかくだからWAVだけでなく、AIFFとALACへも変換しよう。
 このように複数のコーデックに一括変換できるのもdBpoweramp Music Converterの素敵なところである。
WS000258
 

 で、あっという間に変換が終了。
 早速見ていこう。
 

 WAV
WS000263
WS000264

 ご覧のとおり、タグは“ほぼ”完璧に保持されている。
 (一か所保持できなかった部分がある)
 アルバムアートだってきちんとタグとして埋め込まれている。つまり、WAVであっても「フォルダーの中に.jpgでアルバムアートを入れておく」なんてことをする必要もない。
 

 他のコーデックも見てみよう。
 

 AIFF
WS000259
WS000260
 

 ALAC
WS000261
WS000262
 

 駄目押しに、FLACから変換したWAVを、もう一度FLAC Lossless Uncompressedに変換してみる。
 そうして出来上がったのがコレ。
WS000265
WS000266
 

 この通り。
 
 

 「WAVとFLACはどちらがいいのか」ということについてあーだこーだ議論することがいかに不毛か、わかってもらえるだろうか。
 

 FLACでもWAVでも、好きなほうを使えばいい。
 

 行き来は自由である。制限も苦労もない。
 

 ただ、タグの扱いに完璧を期すなら、FLACを選ぶべきだ。
 
 

 以上。
 
 

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