というわけで、ボードである。

 選択肢は二つあった。
 Audience122同様にトラバーチン製のボードをサイズを合わせて導入するか、別の何かを探すか。

 ちなみにSapphireのスパイク受けは某ショップの超硬合金製のを使っている。以前Audience122に使っていたマグネシウム製のスパイク受けは直径が3センチと小さく、Sapphireを支えるには少々心許なかったからだ。
 この「猛烈に硬いスパイク受け」を使っている以上、ボードにも「硬い素材」を使うのはいかがなものか、という思いがある。確証もへったくれもないが、なんとなく感覚的に「キンキンな音になるんじゃないか……」という懸念が生じる。そして懸念が生じてしまった時点で、残念ながらトラバーチンは候補から外れてしまった。
 念のため言っておくと、トラバーチンそのものはオーディオ的に非常に優れた素材であると思う。実際、トラバーチンボードの導入でAudience122の音質は確かに向上した。そしてなにより、安い。

 充分な質量と強度を持ちながら、石のように硬くない素材といえば、もう「木」しか思いつかない。高分子素材とかそういうのはいまいち興味が持てないのでパス。
 木製オーディオボード。製品層の厚み的には石材を用いたオーディオボードと並び立つと思うのだが、私はついぞ使ったことがない。相当安価に入手できる石材のボードと違って、木製のボードはとにかく高いのである。ペアで5万6万はザラで、おいそれと手が出る値段ではなかった。
 しかし、Sapphireの台座である。間違いなく今後20年は使っていくであろうスピーカーの玉座である。あまりケチなことを言っても始まらない。何か、何かないものか。
 そんなこんなであれこれと探し回った挙句、実に素敵なボードを発見した。


  山崎創作 モアビ/オーディオボード


 いい。すごくいい。
 赤系の色もうちのSapphire(ボルドー色)に合いそう。
 値段も安い……とは言えないが、決して高くもない。
 音は……とりあえず厚さ6ミリの人工大理石より悪くなることはあるまい。
 いずれは、某店のSapphireベースを導入したいと考えている。それを見越して、サイズは大きめにしよう。
 もし、万が一、音質的に大外れだったとしても、その時は別の機器の足元に使えばいい。
 面白おかしく使いまわしが出来るのもオーディオの醍醐味なのだから。