スパイク設置できるスピーカーは絶対的にスパイク設置するに限る。

 トールボーイスピーカーならスパイク、あるいは床を傷つけないためにゴム足がオプションとして付属していることがある。かつて使っていた、初めて買ったとあるメーカーのトールボーイもそうだった。
 スパイクもゴム足もつけない状態だと、かえってガタガタ揺れて不安定極まりないので、素人だった当時の私は迷わずゴム足を選択した。だってスパイクとか、なんか怖いし。はじめはゴム足の状態で、特に何も思わずに使っていたのだが、ありゃこりゃと情報を集めるうち、どうやらスパイク設置のほうが音質的には好ましいことがわかってきた。ゴム足なんてもってのほか、そんな言葉も散見された。そうなるともう、試さずにはいられなかった。
 しかし、オーディオアクセサリーは高い。一番安い部類のスパイク受けでさえ、4個セット×2で1万弱はする。これでたいして音質向上がなかったら、もう無様すぎて目も当てられない。とりあえず金銭的ハードルと心理的ハードルを乗り越えて、おっかなびっくりスパイクに付け替えて設置したのだった。

「別物じゃないか……」

 もう6年以上前の話だ。とはいえ、当時の衝撃ははっきりと覚えている。置き方ひとつで、スピーカーの音はこうも変わるのかと……
 端的に言って、ゴム足をつけていた時の音は、“死んでいた”。
 スパイク設置に変えることによって、なぜ音がよくなるのか。振動がどうのこうの、点接触が云々、それらしい説明や理論はあるけれど、そんなものはわりとどうでもいい。
 ゴム足よりもスパイク設置のほうが圧倒的に音がよい。スパイク設置するスピーカーは絶対的にスパイク設置するに限る。私自身の体験した事実と、それに伴う経験則がすべてだ。Audience122もSapphireももちろんスパイク設置だ。“どんなスパイク受けを使うか”は、この際ノリと勢いで決めてもいいんじゃないかな。懇意にしているショップのおすすめでも使えばいい。

 妙に前置きが長くなってしまったが、お題にもなっている『Sapphireの足元』で、問題になっているのはスパイク絡みではない。
 問題は『ボード』である。

asimoto

 現在Sapphireの足元に使われているのは、某ショップでずっと昔に購入した厚さ6ミリの人工大理石のボード。重さ40キロのSapphireの土台となるにはあまりにも弱々しい。それは重々承知である。
 Sapphire以前にメインスピーカーだったAudience122には、厚さ3センチのトラバーチンのボードを使っていた。かつては床に直にスパイク受けを置いていたのだが、ボードのひとつくらい試してみるかと思って導入したものだ。スパイク設置ほどの劇的ではなかったが、それなりの効果は得られた。ただ、Audience122にぴったりの大きさで注文していたため、より設置面積の大きいSapphireには当然使えず、急場しのぎで(なぜか持っていた)前述の6ミリ人工大理石を使っていたというわけだ。
 Sapphireを設置した際は、足元についてはあくまで仮設置だと思っていたのだが、それでも出てくる音があんまりにもよいものだから、どうでもよくなってしまった。

 それから1年。
 今でもSapphireから出てくる音にはまったくもって不満はないのだが、そろそろオーディオマニアとしてやり残したことをやろうと思う。
 まずはボードだ。


 なんか長くなってきたし眠いので続く。


 ○現在再生中の曲
 KOKIA 『Moment』より 『本富の音』