導入編
動作編
機能編 LINN DSとの徹底比較
DSD編


 LUMIN THE AUDIOPHILE NETWORK MUSIC PLAYERあらためLUMIN A1の実力やいかに。



○再生環境

LUMIN A1
↓RCA
DAC2 HGC(プリとして使用)
↓XLR
X-PW10

Dynaudio Sapphire



○比較対象

LINN MAJIK DS-I
↓同軸デジタル
DAC2 HGC



○所感

 厚い。
 そして熱い。
 精緻を極めた外観から、もっとこう冷静で端麗な音を想像していたのだが、なかなかどうして、エネルギー感に溢れた音である。良い意味で期待を裏切られたと言わなければなるまい。

 MAJIK DS-IとDAC2 HGCの組み合わせに比べると、解像度・上下方向へのレンジの伸び・情報量で歴然たる差がある。価格帯もだいぶ違うし、さすがにこの辺はオーディオ機器としての格が違うといったところか。
 空間の広がりは同程度かな? ただ不満はない。

 システム構成その他色々が異なるのでアテになる話ではないが、記憶の中のAkurate DS/Kの音は絶対的に軽く越えている。そしてKLIMAX DS/Kに匹敵するものがあるように思う。
 そもそもLINN DSとでは音作りが決定的に異なる。
 LINNの音楽に対する演出路線はMAJIK DS-Iの時点でも明らかだが、KLIMAX DS/Kにもなると夢幻的に広がる音空間の中に煌びやかな光が散りばめられるような、そんな音を聴かせるのに対し、LUMIN A1は前述のとおり、厚くて熱い。基本的に熱気なんてものとは無縁なLINNの音とは好対照である。

 ピアノ+ボーカルのような、シンプルな構成の曲よりも、激しく音が乱舞する、複雑に込み入った曲の方がLUMIN A1の良さが生きる。MAJIK DS-Iでは絶対に得られなかったテンションの高さがそこにはある。上下方向へのレンジの伸びは音楽の躍動感を大いに増幅し、そこに解像感と実体感を保った中低音が厚く熱く折り重なる。
 ジェントルなLINNの音に慣れていたというのもあるだろうが、特にロック・ポップス系の音源では仰け反るほどの豹変を果たした音源も多々存在した。
 LUMIN A1は凝縮されたエネルギー感を伴って、ぎらぎらとした輝きが猛烈な勢いで溢れ出すようだ。
 ディスクではなくファイルをベースにした再生機器において、ここまで厚く熱い音を聴いた試しはない。それも、私が勝手に「雪のよう」と評しているDynaudioのスピーカーからそんな音を出すのだからたいしたものだ。
 おそらく、バランス出力にすることでさらに素晴らしい音を聴かせてくれるだろう。

 LUMIN A1、この精緻極まる白銀の筐体の内側に、血沸き肉踊る灼熱が息づいている。