【ネットワークオーディオTips】JRiver Media Centerを用いたPCのサーバー化

 JRiver Media Center。長いから以後JRiverと呼ぶ。
 高品質かつ多機能な再生ソフトとして名高いJRiverは、UPnP/DLNAサーバーとしても機能する。

 いざ、JRiverを実際にネットワークオーディオの文脈で使うとどうなるのか、順を追って見ていこう。

◎下準備
・PCに完璧なライブラリを作る
・JRiverをインストールする

 ちなみにJRiverは有料である。49.99ドル。
 一カ月間は体験版が無料で使える。

 JRiverはMediaMonkeyに輪をかけて情報が少ないと思うので、これも設定画面から。
 DLNAを有効にする。
WS000063

 これだけでJRiverをサーバーとして使用可能になる。

 JRiverサーバーの機能は以下のとおり。

・対応フォーマット
DSDを含めて片っ端から対応している。

・画像配信能力
この記事を参照。

・「同一アルバム・複数ディスク」音源への対応
問題なし。

 JRiver Media Centerのナビゲーションツリー(初期設定)は以下のとおり。

 オーディオ

  →アーティスト
    →すべての「アルバムアーティスト」 ※「アーティスト」ではない模様
      →選択した「アルバムアーティスト」のすべての「アルバム」
        →選択した「アルバム」内のすべての「タイトル」

  →アルバム
    →すべての「アルバム」
      →選択した「アルバム」内のすべての「タイトル」

  →最近
    →最近聴いた曲 ※判断基準は不明

  →ジャンル
    →すべての「ジャンル」
      →選択した「ジャンル」に該当するすべての「アルバムアーティスト」
        →選択した「アルバムアーティスト」のすべての「アルバム」
          →選択した「アルバム」内のすべての「タイトル」

  →作曲家
    →すべての「作曲者」
      →選択した「作曲者」のすべての「アルバム」
        →選択した「アルバム」内の「作曲者」の「タイトル」

  →ポッドキャスト
   ※詳細不明

  →評価が高い曲
   ※レーティングの類をしていないので詳細不明

 ここからはおまけ、JRiverでPCをサーバー化するついでにネットワークオーディオプレーヤーとしても使う。

 コントロールアプリには例によってKinskyを使おう。
 JRiver以外のサーバーはとりあえず無視。
1

 そしてサーバー、そして再生機器(アプリによって呼び名は様々)にJRiverを選んだら、あとは何も気にせずナビゲーションツリーを降りていって選曲すればいい。
 (左上の曲はとりあえず無視)
2

 で、再生するとご覧の通り。(拡大推奨)
3

 Kinskyの画面と、実際にJRiverで再生している曲の情報が一致している。
 まさにこの瞬間、再生機器(この場合はPC)からコントロールをネットワーク越しに独立させている。

 ……ここまではいい。
 いろいろと問題がある。

 まず、シークができない。
 さらに、スキップもできない。
 あげく、プレイリストの次の曲を再生しない。

 うーむ……

※2014/06/15追記 2015/08/22さらに追記 2016/01/26また追記※

 DiXiM DMCを使用すれば、問題なくシークもスキップもでき、プレイリストの曲も連続再生されることを確認した。
 では上記の症状はKinskyに特有の問題かと言われればそういうことでもなく、SongBook LiteではそもそもJRiverのコントロールができないなど、アプリによって色々な挙動がある模様。
 というわけで、“JRiverをDMCでコントロールする”するのは、あくまで“ネットワークオーディオの操作感を体験する”だけに留めておいたほうがいい。

 真にJRiverを使ってネットワークオーディオを実践するには、『JRemote』と組み合わせることをすすめる。下手な単体プレーヤーが裸足で逃げ出すレベルのユーザビリティが得られる。

 あるいは、BubbleUPnP Serverと組み合わせて使うという手もある。
 これならば、純粋なネットワークオーディオプレーヤーとしても不満はない。

※追記ここまで※

 ここまで、foobar2000、MediaMonkey、JRiver Media Centerと三種類の再生ソフトの機能を使ってPCをサーバー化し、ついでにネットワークオーディオプレーヤーとしても使い、最も簡単な形のネットワークオーディオの形を実践してきた。

 各ソフトの挙動はさておき、

 PCとスマホさえあればネットワークオーディオの本懐は体験できる

 ということはわかってもらえただろうか。

 今すぐ試してみよう。

 ネットワークオーディオの門戸はいつでも開いている。
 
 

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