*

【音源管理の精髄】 『NAS』の正体――そもそも 『サーバー』とは何か 【ネットワークオーディオTips】

公開日: : 最終更新日:2016/02/21 PC・ネットワークオーディオ関連, オーディオ・ビジュアル全般

 さて、最大限の情熱を傾けてライブラリを構築した。

 次はサーバーだ。
 ところでサーバーって何だ?
 NAS?? PC??? ナス?????

 ネットワークオーディオの文脈におけるそれぞれの意味。
 ひとつひとつ見ていこう。


○サーバー
音源の在り処
音源を保存し、プレーヤーに音源を配信する。
ブラウズの際にアプリに表示される音源の情報も、基本的にサーバーから送られてくる。
機器そのものというよりは、「機能」あるいは「役割」という認識が相応しい。
NAS、PC、さらに最近ではスマホもサーバーになる。


○NAS
Network Attached Storage、ネットワークに繋げて使うストレージという製品ジャンル。実質的にはストレージ関係に機能を絞ったPCのようなもの。
ネットワークオーディオにおいて「サーバー」と言われれば、基本的にNASのことを指すと考えていい。それくらい、「NAS=サーバー」というイメージが出来上がっている。
後述のとおりPCをサーバー化すれば、ネットワークオーディオをするうえでNASは必須ではなくなる
しかし、再生時にPCが介在しない形態のネットワークオーディオを実現するためには必須。オーディオ的にこだわったPCを純然たるサーバーとして使うのなら話は別だが。
色々なメーカーから色々な製品が出ている。
なお、全てのNASがサーバー(あくまで音源としての)になるというわけではない。


○PC
ネットワークオーディオの利点として「再生時にPCが介在しない」ことがよく言われるが、それはあくまで「PCで完璧に作り上げた音源がNASに保存されている」ことが前提であって、再生という最後の最後以外でPCは必要になる。
リッピングも、音源の管理も、タグの編集も、基本的にPCがないと何もできない。最近ではリッピングから音源の管理編集までPCレスで可能な「メディアサーバー」も登場しているが、そこにPCのような自由度や効率はない。
なお、サーバーソフトを導入すればPCもサーバーになり、単体サーバーとしてのNASがなくともネットワークオーディオが可能になる。


 ん?

 サーバーソフト?

 そう。サーバーソフトである。


○サーバーソフト
サーバーをサーバーたらしめているソフト。
PCにおけるOSのようなもの。
すなわち、サーバーソフトの入っていないNASはサーバーにはならず(大抵の場合何かしら入っているが)、サーバーソフトが入ればPCもサーバーになる。
実際の運用において、サーバーソフトの違いはハードウェアの違いよりも遥かに重要。まったく別のハードウェア(NASやらPCやら)でも、中で動いているサーバーソフトが同じであれば同じように機能する。逆に、まったく同じハードウェアでも、中で動いているサーバーソフトが異なればまったく違う振る舞いをする。サーバーソフトのバージョンが違えば、また色んな部分が変わってくる。
このように、サーバーにとって非常に重要であるにも関わらず、今の今まで、私の知る限り、ネットワークオーディオ界隈のメディアではほとんど触れられてこなかった。「音源をどのように見せるかはNASによって異なる」とか、そんな無責任なことを言ってどうするんだ。そこんとこをきちんと調べて書くのがメディアの、オーディオ業界の仕事じゃないのか。結局、馬鹿を見るのはいつだってユーザーだ。
さらにたちの悪いことに、NASを売っているメーカーも、「何が入っているのか明記していない」場合が非常に多い。誰も何も言わないけど大問題だぞこれ。


 私はどのようなサーバーソフトがあって、それぞれがどのような挙動をするのかは知っているが、「どのNASにどのサーバーソフトが入っているか」までは把握していない。メーカーがほとんど公表してない現状では、実際に使ってみない限り知りようがない。

 ちなみに、QNAPにはTwonkyが入っている。QPKGとしてMinimServerも入る。実際に使っているからこれはわかる。
 あと、2年ほど前の時点では、バッファローのNASの一部もTwonkyが入って“いた”。これも実際に使ったことがあるからこう言える。といっても、現時点でメーカーとしてTwonkyが入っていると明言しているのは例のオーディオ用NASだけなので、その他のモデルについては不明。


 最近だと「オーディオ用NAS」とか言って、文字通り桁違いの、びっくりするような価格帯の製品も登場している。
 で、その手のオーディオ用NASの評論記事を読んでみれば決まって「素晴らしい高音質でぶったまげた」という言葉が並ぶ。いやそうじゃないだろ。中身はどうなってるんだ中身は。使い勝手はどうなんだ。サーバーソフトは何を使ってるんだ。TwonkyやらAsset UPnPやらMinimServerといった汎用ソフトなのか、それとも独自仕様なのか。特に自宅でネットワークオーディオを実践している(らしい)評論家先生は、自分の使っている環境と比べて何も感じないのか。自分の音源を持ってきて聴いてるんじゃないのか。サーバーソフトを含めた諸々のユーザビリティをろくすっぽ吟味もせずに製品をすすめるのか。信じられない。


 ……収拾がつかなくなるので、この辺りでまとめよう。

 サーバーとは、「音源の保存と配信」という役割であり、サーバーソフトが入ったNASやPCといった機器がそれを担う。

 つまり、

 PCもサーバーとして運用できるので、ネットワークオーディオにおいてNASは絶対に必要というわけではない。

 ただ、

 音楽再生の際にPCなんて使いたくない! と思えば別途NASは必須。

 しかし、

 リッピングやら音源の管理やらタグの編集やらNASにデータを移す時やら、たとえ再生時には不要でも、結局はどこかでPCは必要となる。


 次回、「サーバーに関するありがちな誤解」。
 今回の記事の内容をきちんと把握したうえで読んでほしい。



ネットワークオーディオの三要素――『サーバー』・『プレーヤー』・『コントロール』

【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

よくある質問と検索ワードへの回答

スポンサーリンク


関連記事

ディズニーのUHD BDはいつ出てくるのだろうか

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』がMovieNEX仕様で9月にBD化  スター・ウ

記事を読む

【音源管理の精髄】 NASとサーバーに関するありがちな誤解 【ネットワークオーディオTips】

 前回の内容を頭に叩き込んたうえで読んでほしい。  以下、サーバーに関するありがちな誤解である。

記事を読む

【BDレビュー】第325回『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』

画質:8 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参照) 映像:AVC 音声:DTS-

記事を読む

ネットワークオーディオプレーヤーにディスプレイは必要か

 私の持論としては「そんなもん要らん」。  どれだけ立派なディスプレイが付いていたところで、現実的

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第132回『D WARS』

これ…… 画質:7 音質:7 映像はAVC、音声はドルビーTRUEHDの16bi

記事を読む

【BDレビュー】 第250回『おおかみこどもの雨と雪』

画質:14 音質:9 映像:AVC 音声:リニアPCM 5.1ch 24bit

記事を読む

【ハイレゾ音源備忘録】Led Zeppelin / Led Zeppelin III (Deluxe Edition)

・アーティスト / アルバムタイトル Led Zeppelin / Led Zeppe

記事を読む

JPLAYを用いたPCのネットワークオーディオプレーヤー化・音質編

JPLAYを用いたPCのネットワークオーディオプレーヤー化 JPLAYを用いたPCのネットワー

記事を読む

【OpenHome】TEAC NR-7CD その2

その1 ティアック、フルサイズの “Reference 7” 。第1弾はネットワークCDレシー

記事を読む

『アニソンオーディオ』を買ってみた

 しかし、こんな企画がきちんと通るようになったとはたまげたなぁ……  まぁ、ハイレゾ音

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【レビュー】SOULNOTE D-1 音質編

外観・運用編 ・再生環境(詳細) canarino

【Munich HIGH END 2017】Roon Labs自身による“Nucleus” Roon Server

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Playback Designs Dream DAC MPD-8 / Transport MPT-8 【Roon?】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】DELAの進化は続く

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Mark Levinson No519 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】dCS Vivaldi One 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Ayre QX-8 / AX-8 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】MSB Technology The Reference DAC 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】AURALiC G Series 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

言の葉の穴・四周年

 三周年記事で地元ネタ全面解禁宣言をしてから1年。  主に私のや

【Munich HIGH END 2017】Dynaudio Special Forty

Dynaudio Special Forty https://y

【レビュー】SOULNOTE D-1 外観・運用編

 SOULNOTEのDACには、対応フォーマットのスペックを偏重する流

LUMIN U1がDSD256に対応

LUMINのネットワークトランスポート「U1」、11.2MHz DSD

【菅江真澄紀行文】『菅江真澄と歩く 二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡』が完成しました

小町ゆかりの地「真澄と歩く」出版プロジェクト - FAN AKITA

【御礼】ヘッドホン祭&北陸オーディオショウ(デジ研)・OTOTEN 2017が終了しました

春のヘッドホン祭2017 / 第2回北陸オーディオショウの「デジ研」に

【おしらせ】OTOTEN 2017に参加します

 久々だと思っていたら三週続けてのイベント参加です。 O

【おしらせ】春のヘッドホン祭2017 / 第2回北陸オーディオショウの「デジ研」に参加します

 久々のイベント参加になります。 春のヘッドホン祭201

【レビュー】Nmode X-DP10 音質編

外観編 設定(主にJPLAY)・運用編 ・再生環境

Roon 1.3 (Build 216)、PCM 768kHz・DSD512

Roon 1.3 (Build 216) Is Live! - Roo

【レビュー】Nmode X-DP10 設定(主にJPLAY)・運用編

Nmode X-DP10 外観編  ドライバをインストールし

→もっと見る

PAGE TOP ↑