*

【音源管理の精髄】 アルバムアートにこだわる理由 【ネットワークオーディオTips】

公開日: : 最終更新日:2013/12/15 PC・ネットワークオーディオ関連, オーディオ・ビジュアル全般

 私は聴きたい曲を選ぶ際、あくまで「○○というアルバムの中の○○という曲」という意識を持っている。
 そして私の場合、「○○」というアルバムタイトルを聞いた時、真っ先に浮かんでくるのは一曲目の出だしの音でも、アーティストの顔でもなく、「絵」である。すなわち「アルバムアート」である。『Fragile』と聞いて真っ先に思い浮かぶのはRoundaboutの出だしではなく、あのこわれものの惑星なのだ。『Relayer』と聞いて真っ先に思い浮かぶのは一曲目の錯乱するイントロではなく、あの静謐な行軍なのだ。
 私にとってアルバムアートとは、自分自身とアルバムを結びつけるものであると同時に、アルバムそのもののイメージとして、非常に重要な位置を占めている。

 
 PC/ネットワークオーディオをするうえでよく言われている(ような気がする)ことのひとつに、「モノとしての楽しみがない」というものがある。
 この場合の「楽しみ」とは、ショーンオブザデッドじゃあるまいし、ディスクをフリスビーにして遊ぶことではないだろう。
 では何か。実際には人それぞれだと思うが、「アルバムを手に取って、アルバムアートを愛でる楽しみ」がかなり大きいのではなかろうか。
 レコードからCDに移り変わった時にも同じことが言われていた気がする。ジャケットが小さくなったせいで、アルバムアートを愛でる楽しみが減ってしまったと。
 それがさらにディスクさえなくなり、純然たるデジタルファイルに移行するに及んで、物理的な「モノとしての」アルバムアートは確かに消滅してしまった。


 それでは困る。
 先に述べたように、私とアルバムを……音源を結びつけているのはアルバムアートである。
 PCオーディオにせよネットワークオーディオにせよ、アルバムアートの色彩が舞い踊る環境でアルバムに出会い、音楽に触れたいと思うのは、当然のことだった。

1

 なんてことはない。
 CDで当たり前のようにやっていたことを、ネットワークオーディオにおいても実現すればいいだけのことだ。
 こんな具合に。

3

 リッピングや管理編集をしている最中、多くの場合ソフトが勝手にアルバムアートを拾ってきては音源に埋め込んでくれる。アルバムアートの一覧から選曲していくという当初の目的だけなら、PCオーディオやネットワークオーディオという言葉が生まれる遥か以前に達成されている。
 しかし、何か……物足りない。

 ……大きさだ。
 大きさが足りない。

 そして、こうなった。

4

 もうずっと昔、とあるショップで、LINN DSとiPadを用いたこのデモンストレーションを初めて見た時の衝撃と感動は今も鮮明に覚えている。

 これだ! 私が求めていたものはこれなんだ!

 音源をデジタル化することにより、管理運用と音楽再生の自由度・利便性が著しく向上し、ディスクベースでは実現不可能なユーザビリティを実現する。「どのようにしてそれを実現するか」はさておき、その利点自体は分かりきっていた。
 何より素晴らしかったのは、上述のユーザビリティに加え、「モノとしてのCD――アルバムアートがネットワークオーディオの中に生き続けていた」ことだ。
 さらに奇しくも、iPadにスクエアで表示させたアルバムアートのサイズは、CDのそれとほとんど同じである。
 iPadは、手に取れる。まさにCDケースのように。手に取って、アルバムアートを愛でることができる。

 この通りに。

2

 この大きさまで拡大するとなれば、埋め込む画像の解像度もかなりのものが必要だ。さらにiPadのRetina化に端を発するタブレットの超高解像度化を考えれば、そんじょそこらの解像度では足りない。必然的に、アルバムアートをスキャンして自分自身で画像を用意するという結論に至る。私は初めてBDを見て以来DVD不買の誓いを立てるような人間なので、画質には徹底的にこだわる。
 ソフトに丸投げはしない。自分で買ったCDだからこそ、音源に埋め込むアルバムアートも自分で用意する。CDが生き続けるために。それは、モノとしてのCDに対する敬意でもある。


 しかし、iPadとコントロールアプリによって、ネットワークオーディオの中にCD――アルバムアートを復活させる試みは、決して簡単なものではなかった。
 以下の二つの記事はその記録である。

・iPadに高解像度でアルバムアートを表示させるための長い道のり
・iPadに最も美しいアルバムアートを表示させるコントロールアプリは?

 数えきれないトライ&エラーの果てに、私は快適なユーザビリティと、美しいアルバムアートを愛でる楽しみを両立している。


 なぜアルバムアートにこだわるのか。

5
 これに尽きる。



【音源管理の精髄】 目次

スポンサーリンク


関連記事

【AV史に残るBD勝手に10選】第4位『ダークナイト』 ― IMAXが見せ付けたフィルムの神髄

【BDレビュー】第102回『ダークナイト』  正直に言うと、BDの黎明期からH

記事を読む

LFEとサブウーファーの意義を考える

 LFE。  Low-Frequency Effect。  映像音声にディスクリート収録(.1c

記事を読む

Technics ST-G30 / SU-G30

テクニクス、SSD内蔵リッピングサーバー「ST-G30」。SSDレスモデルも用意 - Phile-w

記事を読む

【UHD BDレビュー】第26回『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』 米国盤 【Dolby Atmos】

 ディズニーは日本でUHD BDを売るつもりはないのか……? 画質:8(HDR10

記事を読む

【UHD BDレビュー】第30回『ハクソー・リッジ』 米国盤 【Dolby Atmos】

画質:9 音質:15☆ (評価の詳細についてはこの記事を参照) 映像:HEVC

記事を読む

【オブジェクトベースシアターへの道】DTS:X正式発表

DTS:Xはどうなる? 2、3年前から劇場公開で使われまくっているDolby Atmosでさえ

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第196回『デスペラード』

画質:7 音質:14 映像はAVC、音声はDTS-HDMAの16bit 画質について

記事を読む

LUMIN A1、導入2周年

 色々あった一年だった。  当たり前のようにTIDALに対応したり、Qobuzにも対応したり。

記事を読む

【BDレビュー】第337回『モンスターズ 新種襲来』 【Dolby Atmos】

画質:8 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参照) 映像:AVC 音声:Dolb

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第204回『耳をすませば』

    |                   \     |  ('A`)        カ

記事を読む

スポンサーリンク

Comment

  1. 00Q より:

    質問なのですが、
    例えば、全10トラックのアルバムと、2つのアルバムアート「A」と「B」があるとして、トラック1~5に「A」、トラック6~10に「B」をタグ付けした場合、コントロールアプリ上では、トラックごとにタグ付けしたアルバムアートがちゃんと表示されるのでしょうか?
    また、1トラックにアルバムアートを2重にタグ付けした場合、コントロールアプリ上では、そのトラックのアルバムアートはどう表示されるのでしょうか?

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

月刊HiVi 2017年11月号に記事を執筆しました【おまけつき】

月刊HiVi 11月号 10/17発売 「ロマンポルノ」を

【ホームシアターでゲームをしよう!】第3回『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』

https://www.youtube.com/watch?v

TIAS2017の思い出

 色々あるが、最も印象に残ったのはナスペックブースでのPlayback

【イベント報告】東京インターナショナルオーディオショウ2017 於:トライオードブース

予告:東京インターナショナルオーディオショウに参加します  

【ホームシアターでゲームをしよう!】第2回『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』

https://www.youtube.com/watch?v

【ハイレゾ音源備忘録】Nicogi / 蜃気楼

・アーティスト / アルバムタイトル Nicogi /

【ホームシアターでゲームをしよう!】再始動

 諸事情により、第1回『The Last of Us』以来

【ハイレゾ音源備忘録】Nicogi / Precious Morning

・アーティスト / アルバムタイトル Nicogi /

【BDレビュー】第345回『RWBY Volume 4』

画質:8 音質:6 (評価の詳細についてはこの記事を参

JPLAYの入門ガイドを作成しました

JPLAY日本語公式ページ →PCオーディオ入門者向け設定ガイド

月刊HiVi 2017年10月号に記事を執筆しました【おまけつき】

月刊HiVi 10月号 9/16発売 祝35周年・UHDブ

【ハイレゾ音源備忘録】Helge Lien Trio / Guzuguzu

おまえの新譜グズグズじゃねーか(歓喜) ・アーテ

【ハイレゾ音源備忘録】Tingvall Trio / Cirklar

・アーティスト / アルバムタイトル Tingvall

【ハイレゾ音源備忘録】Julian Lage / Arclight

・アーティスト / アルバムタイトル Julian La

【レビュー】DSP-Dorado 音質編

外観・導入編 設定・運用編 ・再生環境(詳細)

【UHD BDレビュー】第33回『ザ・コンサルタント / The Accountant』

画質:6 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参

【レビュー】DSP-Dorado 設定・運用編

外観・導入編  DSP-Doradoは意外と(?)多機能

【イベント情報】東京インターナショナルオーディオショウに参加します

 既にオーディオ誌で見たという人もいるかもしれませんが、 2

【UHD BDレビュー】第32回『メッセージ / Arrival』 米国盤

画質:7 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参

【レビュー】SFORZATO DSP-Dorado 外観・導入編

「純粋なネットワークオーディオ」への憧憬 続・「純粋なネットワークオ

→もっと見る

PAGE TOP ↑