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Roonの「Core」・「Control」・「Output」

公開日: : 最終更新日:2017/01/20 PC・ネットワークオーディオ関連, Roon, オーディオ・ビジュアル全般

Roon Labs

 Roonの公式HPが刷新され、とっちらかっていた諸々の要素がまとめられているので、ここであらためて紹介する。


Roon Ready、Roon Server、Roon Core、Roon Remote

 上の記事とかなりの部分で重複するが、上の記事はRoon Ready……ネットワークオーディオ方面の拡張性に焦点を当てたもの、この記事はよりRoonそのものの仕組みに焦点を当てたものとなる。


 まずは公式HPからこちらを参照。わかりやすい図解もある。

How Roon works

 Roon ServerだのRoon CoreだのRoon RemoteだのRoon Bridgeだの、今までRoonなんたらと言っていた諸々の要素は、「Core」・「Control」・「Output」の呼称でまとめられたようだ。詳しく見ていけばまたぼろぼろと出てくるが……

 というわけで、ひとつずつ見ていく。



・Core

 文字通り、Roonの「核」
 「音楽の海」をもたらすライブラリ機能と、音源の再生機能と、「Output」への音声データ出力を担う。

 ひとつのRoonシステムにつきひとつの「Core」。
 「Core」が機能するPCのRoon(※1)や単体Roon Server(※2)はいわば「母艦」となる。

 HPの刷新によりRoonは「Core」を中心としたソフト・システムであることが明確にされ、メンバーシップの購入ページでも、「Coreひとつにつきこの金額!」と明記された。

(※1)いわゆる全部入りのRoonで、設定で「このPCを音源の管理に使う=Coreを有効化する」・「このPCをリモートコントロールに使う」を選択する
参考:Roon 導入編

(※2)すなわちRoon Serverとして機能するオーディオ機器を指す
参考:Roon Serverの重要性――Roon Readyを本当に活かすために必要なもの



・Control

 文字通り、Roonの「コントロール」
 「コントロールするためのインターフェース」と捉えればわかりやすいか。
 ここで表示される諸々の情報は「Core」から送られるため、使用する端末によらず共通のユーザー・エクスペリエンスが得られる。

 コントロール機能を担う母艦以外のPC(のRoon)や、スマホ/タブレット用アプリは「Roon Remote」と呼ばれる。

 なお、システムの中で「Core」がひとつなのに対し、「Control」を担うデバイスに数の制限はない。



・Output

 Roonで一番理解がめんどくさい部分。

 Roonでは「音を出すデバイス」と表現している。
 「再生」という言葉は使いどころが難しく少々アレだが、一般には「再生デバイス」と言ったほうがわかりやすいと思う。

 「Core」が音源の再生(データ処理)を行い、そのうえで「Output」に音声データを出力する。「Core」からのデータを受けて、「Output」が「音を出す」
 物凄く単純に言ってしまえば、「Output」はDAC / DDCに相当する。
 字面的にちょっとややこしいが、「Output」とは「Coreから見た出力先」でもある。

 「Core」と「Control」が「機能」または「役割」であるのに対し、「Output」はどちらかと言えば「機器」の性格が強い。
 一方で、例えばHQ Playerなど、ソフトウェアベースのOutputもある。この場合でも、インターフェースはRoon、再生エンジンはOutputになるソフトのものを使うことで、両者の強みが活かされる。

 ちなみに、Roonでは複数のデバイスに対して同時かつ個別に音楽再生が可能。
 使う機器次第では同期再生もできる。

 Roonのバージョン1.2でRoon Bridgeが実装され、Roon Bridge(Output単体)とRoon Remote(Control + Output)が実質的にRoon Readyプレーヤーとして機能するようになった。Roon BridgeはOutput単体のソフトウェア・パッケージであると同時に、それが機能している機器も意味する。
Roon 1.2の色々とRoon Bridge

 「Roon Readyに対応するOutput」という文脈ではRoon Readyプレーヤーと呼び、システムにおける「ネットワークに繋がっているOutput」という文脈ではRoon Bridgeと呼ぶ。
 微妙にニュアンスが違ってえらいややこしいが、両者に機能的な違いはない。

 あくまで「機器」として見た際の一応の使い分けとしては、

・Roon Readyプレーヤー
最初からオーディオ機器としてパッケージングされたRoon Ready対応機器。
UPnP/DLNAに対応している場合も多く、その意味でも「プレーヤー」である。
ちなみに「プレーヤー」と呼んではいるが、Roonのシステムで再生機能を持っているのはCoreなので、あくまでも「再生機能を持たないRoonのOutput」であることを示そうと思えば、「Roon Readyデバイス」とでも呼ぶのか相応しいか。

・Roon Bridge
ユーザーサイドでRoon Bridge(この場合はソフトウェア・パッケージ)をインストールし、RoonのOutputとして機能するようになった機器。
もしくは、UPnP/DLNAなどに対応しない=「プレーヤー」としての機能を持たない、RoonのOutputであることに特化したオーディオ製品。「DAC一体型のRoon Bridge」とは、つまるところ「ネットワークDAC」のことである。

 ……という認識でいいと思われる。
 Roon ReadyだろうがRoon BridgeだろうがRoonのOutputであることに変わりはなく、いずれにせよ意味は通じる。


 各要素のさらに詳細な内容はコチラを参照。



 で、これらの要素は組み合わせによって以下のソフトウェア・パッケージになっている。

Roon (Core + Control + Output) つまり全部盛り
Roon Remote (Control + Output)
Roon Server (Core + Output)
Roon Bridge (Output)



 さらに、「実際に担う機器」ベースで考えると、こうなる。
 


・全部入りRoonをインストールしたPC(母艦)
=Core + Control + Output


 ライブラリ機能と再生機能とデータ出力を担い(Core)、それ自体でコントロールでき(Control)、PC本体=内臓のサウンドカードから音が出る(Output)。



・単体Roon Server(母艦)
=Core + Output


 ライブラリ機能と再生機能とデータ出力を担う(Core)。
 UIを持たない(Controlがない)ため、操作はRoon Remoteから行う。
 一応Outputを内蔵し、本体から音を出すこともできることになっているが、製品の性格上、独立したOutputの使用を前提とする機器がほとんどのようだ。

 また、Roon ServerはOutputを持っているため、ネットワーク内の他の機器でCoreが動いていれば、その時はRoon Readyプレーヤー/Roon Bridgeとして機能する。
 Roon Serverについての諸々はこの記事も参照。



・RoonをインストールしたPC(母艦以外・※1)
・Roon Remote(アプリ)をインストールしたスマホ/タブレット(※2)
=Control + Output


 Roon(Core)のコントロールを行う(Control)。
 端末それ自体からも音が出せる(Output)。

(※1)出力先のPCにUSB DAC等が接続されている場合、そこからさらに再生デバイスを選択可能
参考:4年以上前のノートPCでRoon Remoteは快適に使えるか?

(※2)iPadは現状出力先として使えない
そしてスマホ版Roon Remoteアプリはただいま開発中



・PC内臓のサウンドカード
・USB DAC / DDC
・AirPlay対応デバイス
・Roon Readyプレーヤー/Roon Bridge(DAC内蔵またはトランスポート)
・その他の対応製品(SqueezeboxとかHQPlayerとか)
=Output


 Coreからデータを受け、実際に音を出す(Output)。
 つまり再生デバイス。DACかDDCかは問わない。
 なお、RoonではOutputとの接続がUSBかLANかは実使用上さして重要ではなく、Roon Readyの単体ネットワークオーディオプレーヤーであっても、あくまでひとつの出力先として扱われる。



 これらを組み合わせると、こうなる。


・RoonをインストールしたPC + Roon Remote端末
=[Core + output] + Control

・RoonをインストールしたPC + Roon Remote端末 + USB DAC
=Core + Control + Output

・RoonをインストールしたPC + Roon Remote端末 + Roon Readyプレーヤー
=Core + Control + Output

・単体Roon Server + Roon Remote端末 + Roon Readyプレーヤー
=Core + Control + Output



 Core(再生機能)とControlを独立させることで、Roonは他の再生ソフトがそうであるように、PCとUSB DACのシステムをいともたやすくネットワークオーディオに発展させることができる。
 またRoon Readyのおかげで、Roonの未曽有のユーザー・エクスペリエンスを、音質劣化なしで、単体ネットワークオーディオプレーヤーでも楽しめる。

参考:
ネットワークオーディオの三要素――『サーバー』・『プレーヤー』・『コントロール』
全体の流れ――音源の管理運用・システムの構築・実際の音楽再生


 Roonでネットワークオーディオを実践するだけなら、必ずしもRoon Readyプレーヤーが必要というわけではない。

 ただしRoon Labsとしては、UPnP/DLNAベースのしょぼくれたユーザー・エクスペリエンスや、便利だが音質の劣化が避けられないAirPlayを引き合いに出し、それらを乗り越えたものとしてRoon Readyの価値を訴求している。ユーザーに対してはもちろん、製品を作る側に対しても、「うちの仕組み採用すれば楽だしいいこと尽くめだよ」という風に。
 また、Roon(Core)のスムーズな動作のためには母艦に比較的強力なCPUが必要であり、CPUの与える悪影響から再生デバイス(Output)を遠ざけるという点でも、Roon Readyの仕組みは有効だとしているようだ。音質議論ほど恐ろしいものはないので、その辺はお手柔らかにお願いしたいものだが。
 
 

 色々と書いてきたが、とにかくRoonは使ってナンボである。
 音源をインポートすれば全自動で魔法がかかるので試すのに手間もいらない。

 是非ともRoonならではの「音楽の海に漕ぎ出す」という体験をしてもらいたいと思う。



Roon関連記事まとめ

【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

【レビュー】 視た・聴いた・使った・紹介した機器のまとめ 【インプレッション】

よくある質問と検索ワードへの回答

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